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#53 胸キュンLove Song

エロアニメの神様
08 /21 2023
さてさて、昨今のヒトの世では
コンテンツの発信において
【コンプライアンス】
大変重要視されているようです。

「TV放送なんかは顕著かな。
 ラブシーンどころか、女性の乳首
 ですら出せなくなっちゃった
「アニメだってそうだよ。
 2020年に『俺の指で乱れろ。』って
 作品に参加したんだけどさ、
 ラブシーンがメインである
 いわゆる【僧侶枠】の作品なのに
 服の上からの愛撫もダメだったし
 濃厚に舌を絡めるキスシーンなのに
 役者さんにはあんまり激しく音を
 立てないように指示が有ったり、
 キスの後で唾液が糸を引くような
 表現もNGだったね
「ふむふむ」
「しかしこういうのは流石に
 ナンセンスだと思うんだ。
 キスシーンでどこまでがドラマで
 どこからがエロなんて線引きが
 できるわけないんだし、
 アニメで女性の乳首がダメなら
 裸婦画をTVで紹介する場合、
 乳首にモザイクを掛けるのかって
 話になっちゃうでしょう。
 どっちも乳首を描いた絵なんだし」

「私達のエロアニメや
 他のエロメディア作品に関しても
 こうした時代の流れによる影響は
 何かあるのでしょうか?
「ん~~……それはあんまり無いかな。
 もちろん、エロメディア作品には
 審査団体の審査があるわけだし、
 近年は販売サイトさんのオーダー
 でレ〇プや強〇、痴〇みたいな語句
 が作品のタイトルや紹介文には
 使えなくなったりしてるけどさ。
 作品本編の制作には今のところ
 何の影響もないからね。
 個人的な体感としては、昔に比べて
 表現規制が厳しくなったって感じ
 はしてないんだよね
寧ろプレイの内容としては
 昭和や平成の頃より
 どんどん過激になってると思うよ。
 エロメディアってのは、
 新たな刺激を求め続けるメディア
 だからね」
「なるほど」

「だからまぁ、我々の仕事としては
 特に不安は感じてないんだけど、
 個人的にはちょっと心配なこと
 あるかなー」
「心配なこと?」
「エロメディア以外の
 放送や出版、配信メディアでは
 エロに関する規制が厳しくなって
 エロメディアの方が
 どんどん過激になっていくと
 若者がエロメディアを観て
 SEXを理解したつもりに
 なったりしないかと思ってさ
「と言いますと?」

エロメディアってのは
 現実ではできないことをやるのが
 醍醐味の一つなんだよ。
 エロアニメみたいな二次元系の
 エロメディアは特にそうかな。
 触手ものとか、ファンタジー・SF
 世界の作品はもちろん、
 レ〇プ、痴〇みたいな犯罪行為や
 不倫、NTRなんかも
 現実ではできないことだよね」
これはSEXという行為そのもの
 についても言えることでさ、
 エロメディアのSEXってのは
 より強い刺激のために
 派手に誇張されてるもんなんだよ。
 男の行為をより激しく、
 女の反応をより激しく描くわけ」
「なるほど」

そんなSEXを観たユーザーさんが
 現実のSEXでも同じようなプレイ
 をしようとすると……
 女の子に嫌われたり、振られたり
 するだけじゃなくて、下手したら
 暴行罪ってことにも成りかねない
 んじゃないな?
 昨今のご時世から鑑みるとさ」
「流石にそれはちょっと……」
「まぁ、考えすぎかなと思うけど、
 ウチは娘が二人いるし、どうしても
 そういうことも心配になってね」

「これは個人の体験だけどさ、
 私は学生時代、先輩や友人から
 『同世代の女の子とSEXする時、
  フェラなんてさせるもんじゃない』
 って言われたんだよね」
「どういう意味でしょう?」
当時はフェラチオなんて、
 風俗とかAVでやることであって
 普通の女の子にさせるような行為
 じゃないってことなんだよ。
 私も当時はそれで納得してたんだ」
「今の感覚で言えば、
 学生同士のお付き合いで
 彼女にSMプレイをさせちゃう
 ……みたいな感覚かな?」
今ではフェラチオなんて
 割と当たり前のプレイじゃない?
 そういう風潮を作ったのは
 エロメディアだと思うんだよ
「ははぁ……なるほど」

我々としては、ユーザーさんの
 自慰行為を助けるために
 より刺激的な作品を作るために
 日夜頭を捻ってるだけなんだよ。
 でもそれが、現実世界のSEXを
 歪なものに変えちゃうなら
 それはちょっと怖いと思うね

前回、賀島さんは
性行為と自慰行為は車の両輪だと
仰いました。
どちらが欠けても成り立たないし、
それぞれが支え合っているものだと。
もしそうであるならば、
性行為と自慰行為をごっちゃにして
一輪にまとめてしまうと、
やはりバランスを崩してしまうのだと
思います。

「それじゃ最後にまた
 リクエストなんだけど……
 『プリパラ』のエンディング
 『胸キュンLove Song』
 聞かせてもらおうかな?」

『プリパラ』
同名のトレーディングカードゲームが
原作としたTVアニメーションです。
2014年から2017年までの放送で
制作はタツノコプロさんと
DONGWOO A&Eさん
監督は森脇真琴さん
シリーズ構成は土屋理敬さんです。

『胸キュンLove Song』
2015年からのセカンドシーズン
第52話から第64話までの
エンディングテーマです。

「実はこのエンディング、
 放送倫理・番組向上機構(BPO)
 苦情が来たらしいんだよ。
 『子供向けアニメのエンディングで
  アニメキャラの少女達が水着姿で
  ポーズをとったり、肩ひもが片方
  だけの格好になっていたりする。
  子供向けアニメでこのような
  シーンが必要なのだろうか?』
 ってさ」
「あらららら」

「で、第59話から
 エンディングアニメの1カットが
 差し換えになったんだけど
 その比較動画があるんで
 それを是非紹介したいんだ」

「キャミソールの肩紐が片方だけ
 落ちていた女の子のカットが
 漁船の上で大漁旗をバックにした
 カットに変わってるんだよね。
 しかも女の子が着てる
 水産用サロペットの肩紐が
 やっぱり片方だけ落ちてるんだよ」
「これはまた何と言うか……
 強烈な皮肉ですね」
「それでいて笑えちゃうでしょ?
 クリエイターとして理想的な
 対応だと思うんだ。
 当時すっごいなーって感心したよ」

長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日・30日前後に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

コメント

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Chanel No. 5

プリパラは肩紐画も含めて、幾つかは50年代のマリリンモンロー・オマージュで、その原典芸術性と諧謔が否定された騒動でもありました。
更には、プリキュアで禁止令が敷かれていた様な水着姿や、ほぼ同じ衣装着用の男子キャラには苦情が入れられず、多様性が重視され始めた頃の割には「何故、そこだけに苦情を?」と矛盾が漂い、オタク界隈では盛り上がっていました。

スタッフの皆さんも、その論理的とは言い難い、勢い任せな苦情に不条理さを覚え、あえて理知的な失笑対応を執った(煽った?)様に感じさせられました。

お仕事もあるかと思いますが、あまり無理はなさらず、健康には御留意下さい。

コメントありがとうございます!

Chanel No. 5様

コメントどうもありがとうございました!
マリリンモンローへのオマージュだったんですね。
全く存じ上げませんでした。
情報頂きまして恐縮です。

それにしても、
皮肉が効いていて、且つ笑えちゃう差し替えですよね。
女児層には意味が分からなかったかもしれませんが、
実にクリエイターらしい対応で感心したのを覚えています。

帯状疱疹、ちょっと身体を動かすと痛みがぶりかえして
なかなか難儀しております。
お心遣いありがとうございます!

佐和山進一郎

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