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#30 エロは没入する必要がある

エロアニメの神様
12 /31 2022
前回水木一郎さんが歌った

 アニメソングや特撮ソングを

 振り返ってたら、

 【ベルスター】のことを

 思い出したんだよね」


ベルスターというのは

1976年に放送された特撮TVドラマ

『ザ・カゲスター』

に登場する特撮ヒロインです。

水木一郎さんが歌うオープニング

『輝く太陽カゲスター』と合わせて

先ずはこちらの映像をご覧ください。

作詞は八手三郎さん

作曲は渡辺岳夫さんです。




「ベルスターはミニスカートに

 二の腕を出した衣装で

 日本の特撮史の中でもかなり

 露出度が高いヒロインなんだよね」

「ところがこれが

 そんなにいやらしさを感じない。

 それより先にそのマスク、

 特に【目の異形さ】

 みんな惹き込まれちゃうんだ。

 鼻から下の素顔が見えているのも

 異形さに拍車を掛けてる気がする」

「なるほど」


「これはエロを考える上では

 意外と大切なポイントでさ。

 つまり人はエロいことを考える時、

 【エロに没入する必要がある】

 ってことなんだよ。

 他に何か気になることがあると

 エロに集中できないってわけ」

リアルにセックスする時ってさ、

 一旦スイッチが入っちゃうと

 お互いあんまり喋んなかったり

 するじゃない?」


ごめんなさい。

私はリアルでセックスができないので

ちょっとよく分かりません。


「前回もチラッと話した

 植芝理一さんのコミック

 『ディスコミュニケーション』でも

 こんなセリフがあるんだ。

 『たとえばどんなにカワイイ

  パンチラでも……

  チョンマゲをかぶってやれば

  ただのバカである!

  パンチラも全く無意味な

  “お笑い”になってしまう』

  ……ってね」


『ディスコミュニケーション』

1992年から2000年にかけて

『月刊アフタヌーン』に掲載された

植芝理一さんのコミック作品です。

賀島さんが引用されたのは

学園編Ⅰの第9話

『神はスカートの中に宿るⅢ』

の一節です。


「これはまた少し別の話だけどさ。

 お菓子を食べながらAVを観てたら

 なかなかオナニーする気には

 ならないと思うんだよね

「そういうものですか」

「だから私は

 仕事でエロゲーの解析をする時、

 ガムとか飴を食べながら

 やったりするんだよね」

「はい?」

「……いやさ、

 フルプライスのゲーム解析だと

 一週間くらいかかるんだよ。

 その間、ずっと没入してオナニー

 したくなってると結構辛いから、

 ちょっと気を逸らして、冷静に

 客観的になれるようにしてるの」

「ははぁ、なるほど」


「そうそう、

 カゲスターの話に戻るけどさ、

 ヒロインの衣装がちょっとエロく

 見えないってだけで、

 特撮TVドラマとしてはなかなか

 面白い作品だったと思うんだ。

 『仮面ライダー』(1971年)や

 『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)

 がもう世に出ている中で、

 何とか新しいヒーローを創ろう

 っていう気概に溢れてるよね。

 マントを生かしたアクションも

 映像映えしてたと思うし、

 タイトルロゴもセンスが良くて

 すごく好きなんだ」

カゲスター

「ベルスターは勿論、カゲスターも

 かなり異形のデザインでしょ?

 オープニングにも

 『影の魔人だカゲスター』

 ってフレーズがあるけど、

 ヒーローっていうより魔人っていう

 イメージがしっくりくるのかも」

「もし今リメイクするなら

 ベルスターを主人公にして、

 カゲスターはランプの魔人みたいな

 立ち位置が面白いかもね。

 CGを使っちゃえば大きさも形も

 自由自在な魔人が作れるし、

 色々と面白くできる可能性がある

 作品だと思うんだよね」


賀島さんはアニメや漫画だけでなく

特撮にも思い入れがあるようです。


……実はね、特撮がらみでも

 エロシナリオのお仕事をしたこと

 があったんだよね

「ほほう」

「特撮AVメーカーのGIGAさんが

 ホームページででライターを

 募集してたことがあってね。

 そこに申し込んで、ちょこっと

 お手伝いさせてもらったんだ」

「まあAVなんで、絡みに関しては

 そんなに細かい台本は無くてさ。

 提示されたストーリーを基に

 要所要所の決めゼリフをまとめた

 って感じだったかな。

 作業量としてはプロットを少し

 膨らませたくらい分量だね」


賀島さんがシナリオを手掛けたの

いずれも2016年の作品で、

『どりしす!』

『ケモノヒロイン女戦士フーリー』

の二本だそうです。

ご興味のある方はぜひぜひ。


「さてさて、改めてお伺いしますが

 エロメディアの観点から見て、

 特撮ヒロインものの魅力とは

 一体なんでしょう?

「そうだねぇ……まずはヒロピン、

 【ヒロインピンチ】の要素は

 外せないかな。

 正しく清らかで凛々しく可憐、

 そういう存在を穢したり辱めたり

 屈服させたいっていう欲望が

 あるんだと思うよ。

 特にSっぽいユーザーさんに」

「正義の特撮ヒロインは

 エロとは真逆の存在で

 イメージのギャップもそれだけ

 大きいわけじゃない?

 何度か言ってる話だけど、

 エロメディアの刺激は右肩上がり

 に段々強くしていくこと、

 【昂り】を作ることが大事でさ。

 彼女達とエロのギャップが大きい分

 【昂り】の幅も大きくなって、

 より際立つんじゃないかな」


あともう一つは、特撮ヒロインの

 コスチュームの魅力だね。

 まあでもこれは、

 カッコ良いだけでもダメだし

 カワイイだけでもダメだし

 勿論エロいだけでもダメだし

 なかなか難しいんだけどね」

「ちなみに賀島さんが

 心に残ったコスチュームというと

 どんなものがありますか?」


「んーとね……

 『美少女仮面ポワトリン』(1990年)

 のポワトリンは印象深いかな」

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「ベルスターと基本的なデザインは

 共通してるんだけどさ。

 目の部分を普通のマスクにして

 可憐さを強調しただけで随分と

 印象が違って見えたんだよね」

「2012年に公開された映画

 『仮面ライダー×仮面ライダー

  ウィザード&フォーゼ

  MOVIE大戦アルティメイタム』

 にゲスト出演したポワトリンの

 衣装が特に好きだね。

 TV版より軽やかに動きやすく

 なってる感じがしてさ」


「あとこれはテレビじゃないけど

 『けっこう仮面』の衣装は

 やっぱりすごいと思うよ」

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『けっこう仮面』永井豪さんが

1974年に発表したコミック作品で

それを原作としたオリジナルビデオ

や劇場作品が1991年~2012年までに

11本も制作されております。


「これはもう永井豪先生のセンスを

 褒めるしかないよね。

 あまりに突飛な衣装で、ちょっと

 面白くも感じちゃう。

 あんど慶周さんの

 『究極!!変態仮面』(1992年)にも

 その遺伝子が受け継がれている

 気がするよ」


「茨城県のご当地ヒーロー

 『時空戦士イバライガー』

 【イバガール】も紹介したいな」

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「特に身体のどこかが露出してるって

 わけじゃないんだけどさ。

 ムチムチの体にスーツが密着して

 すごく印象に残るんだよね。

 制作側が意識しているのかどうか

 ちょっと分からないけどさ」

「スーツの質感によるのかな?

 『仮面ライダーなでしこ』

 『ウルトラマングリージョ』

 妙に体形が強調されて見えちゃう

 んだよねぇ」


「最後に『メガロマン』(1979年)の

 【高嶺ラン】にも触れておこうかな」

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「これは素顔が丸出しになってるけど

 一応、メガロンブレスレットの力で

 エナジーアップされたレオタード型

 エナジースーツなんだって」

「このハイレグレオタードで

 中国拳法を使うキャラだから

 余計に足が強調されるんだよね」


「……あと、これは本編とは

 直接関係ないんだけどさ。

 高嶺ラン役を演じていた

 杉まどか(杉もとみな子)さんが

 番組終了後にヌードグラビアを

 披露してるんだよね

 これがまたすごく印象的でさ」

「それは、印象的なヌードグラビア

 という意味ですか?」

「いやそうじゃなくて、

 さっき言ったイメージのギャップ

 の問題だと思うんだ。

 こちらとしては、正義のヒロインの

 印象がどうしても残ってるから。

 そこでヌードを披露されると

 イメージのギャップが大きくて

 インパクトが強いと思うんだ

『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)

 に嵐山美佐役で出演されていた

 根本由美さんは

 にっかつロマンポルノの

 『軽井沢夫人』に出演されてるし、

 『科学戦隊ダイナマン』(1983年)

 でダイナピンクを演じていた

 萩原佐代子さんもヌードグラビア

 を披露しているし、そういう例は

 結構あると思うんだけどさ。

 やっぱり自分が子供だった頃の

 特撮ヒロインのヌードとか

 ラブシーンは強烈に覚えてるね」

「ははぁ……

 そういう観点もありますか」


「今回触れたのは特撮ヒロインの

 戦闘服についてなんだけどさ。

 特撮ヒロインは私服だって着るし

 コスプレすることもあるし、

 魅力的なコスチュームはまだまだ

 いっぱいあると思うんだ。

 悪の組織側にだって女性キャラは

 いるわけだしさ」

「あと、これはアニメでも言えるけど

 アクションをする以上、

 動かしやすさだって考えなくちゃ

 いけないからね」

「なるほど……

 単純に露出度を増やせば

 エロくなるとか魅力的になるとか

 そういうことでもないですし、

 衣装一つとっても

 なかなか難しいものですね

「まあ、だから作る方は

 面白いんじゃないかな?」


取り留めのない世間話のように

なってしまいましたが

年内の更新はこれで最後です。

新年もなるべく10日・20日・30日に

更新できるよう頑張りますので

よろしければまた

私の話を聞きに来てください。


まだまだ寒い日が続くようですので

皆様くれぐれも

お身体ご自愛下さいませ。

#29 人の命は尽きるとも

エロアニメの神様
12 /20 2022
【アニメソングの帝王】と呼ばれた
歌手の水木一郎さんが2022年12月に
お亡くなりになりました。

賀島さんは水木一郎さんの薫陶を
非常に色濃く受けた世代です。
そこで今回は賀島さんに
お勧めの水木一郎ソング
ご紹介頂きたいと思います。

「やっぱりアニメソングっていうと
 映像と歌を合わせてこその魅力が
 あると思うんだよね。
 だからなるべくそういう動画を
 紹介するね」

ではでは、最初の一曲。
『マジンガーZ』(1972年)の
挿入歌で
『Zのテーマ』
作詞は小池一雄さん
作曲は渡辺宙明さんです。

映像は2018年に公開された映画
『マジンガーZ INFINITY』
からの流用です。

「マジンガーZと言えば
 主題歌が有名なんだけど
 Zのテーマは出撃・戦闘シーンに
 よく掛かってた挿入歌でね。
 『INFINITY』の戦闘シーンは
 無数の機械獣軍団を無双していく
 シーンが多いからこの曲がマッチ
 してると思うんだ」

続いて二曲目は
『グレートマジンガー』(1974年)の
エンディングで
『勇者はマジンガー』
作詞は小池一雄さん
作曲は渡辺宙明さんです。

「前奏の曲に合ったカット割りが
 すごく気持ちいいんだわ。
 あとこの曲は『マジンガーZ』の
 最終回でグレートマジンガーが
 登場した時の挿入歌でさ。
 その印象もすごく強いんだ」


続いて『鋼鉄ジーグ』(1975年)の
オープニングで
『鋼鉄ジーグのうた』
作詞は林春生さん
作曲は渡辺宙明さんです
こちらはエンディングの
『ひろしのテーマ』
合わせてご紹介します。

映像は2007年に放送された
『鋼鉄神ジーグ』からの流用です。

「この動画は編集がすごく上手でね
 仕事の前、テンションを上げたい
 時によく観てるんだ」
『鋼鉄神ジーグ』は『鋼鉄ジーグ』
 の50年後の話でさ。
 12話から初代の鋼鉄ジーグも
 登場して共闘するんだけど
 そこがまた燃えるんだ
「エンディングは曲の合間に
 『ダァッ』とか『トォッ』って
 掛け声が入るのがいいんだよね」


続けては特撮TVドラマから。
『アクマイザー3』(1975年)の
オープニングで
『勝利だ! アクマイザー3』
作詞は石森章太郎さん
作曲は渡辺宙明さんです。

『行く道一つ おお唯一つ
  これが我らの生きる道』って
 フレーズが好きなんだよね。
 2000年に植芝理一さんが
 『ディスコミュニケーション』
 【精霊編】最終回でこのフレーズを
 引用されててさ。
 やっぱりリアルタイム世代には
 刺さるフレーズなんだなって
 すごく共感したよ」
「アクマイザーは語感が良い名乗り
 やネーミングが多いんだよね。
 『ザラード!
  イラード!
  ガラード!
  唸れジャンケル
  我ら、アクマイザー3!』とか、
 空中戦艦『ザイダベック号』とか、
 主人公三人のオートバイ
 『ギャリバー』A・B・Cが
 『トライキャッチ!』
 の掛け声で三機合体して
 『ギャリバード』になるとか」


続きまして、
『超電磁ロボ コン・バトラーV』
(1976年)より
オープニングの
『コン・バトラーVのテーマ』
エンディングの
『行け! コン・バトラーV』
どちらも作詞は八手三郎さん
作曲は小林亜星さんです。

「これはTV版のオープニングと
 エンディングの映像をそのまま
 紹介したいね。
 ほんの1分15秒の映像で
 合体前の各機体とキャラクターと
 ロボットのバトルと必殺技と
 合体変形を全部見せるんだから
 本当にすごいオープニングだよ」
「エンディングも
 サビがロボの身長と体重なんて
 よく考えるとすごい話なんだけど
 これが耳に残るんだ」


さて続いては、
『マシンハヤブサ』(1976年)の
オープニングテーマで
『ダッシュ! マシンハヤブサ』
作詞は保富康午さん
作曲はすぎやまこういちさんです。

「この曲も
 やっぱりTV版のオープニングを
 そのまま観てほしいな。
 こういうカーレースアニメとかは
 映像に効果音が付くと
 すごくカッコよく感じるんだよね
 最近はオープニングに効果音って
 あんまり入らないみたいだけど、
 やっぱりこれもアニメソングの
 大きな魅力だと思う」

『ジョジョの奇妙な冒険』の第三部
 『スターダストクルセイダーズ』
 最終回だけオープニングに効果音
 が入るんだけどさ、
 やっぱりそっちの方がすごく良い
 感じだと思うんだよね。
 よければぜひ見比べてほしいな」

「あとね、
 『倒せ卑劣な敵を
  レースの誇りのために』
 ってフレーズがすごく好きなの。
 卑劣な敵を倒すのは
 勝負に勝つためじゃなくて
 レースの誇りを守るためって
 いうのがプロレーサーの矜持を
 感じるんだよね」


続きまして、
『バビル2世』(1977年)より
オープニングの
『バビル2世』
作詞は東映二さん
作曲は菊池俊輔さんです
こちらはエンディングの
『正義の超能力少年』
と合わせてご紹介します。

「これまた
 TV版の映像が良いんだよね。
 オープニングはすごく疾走感が
 ある曲なんだけど、これに映像が
 ばっちりハマってる感じで
 特に二番の冒頭部が好き」
「エンディングは独特な演出でさ。
 バビル2世とヨミの部下たちの
 戦闘シーンの映像なんだけど
 時々ストップモーションになって
 そこにテロップが入るの。
 で、そのストップになるカットが
 次への期待を絶妙に煽るんだよ
「例えば、
 【バビル2世に投げ飛ばされた敵】
 のカットに続けて、
 【着地して銃を構える敵】の
 カットが来るの。
 で、銃が発射されてバビル2世が
 危ないかと思うと、次のカットで
 【パイロキネシスを発動】して
 弾丸を平気で受け止めてるのよ」
「あと、地面から突如出現した敵が
 【バビル2世の肩を掴む】
 カットでストップするんだけど
 視聴者はもうここで
 【バビル2世が衝撃波を出す】
 んだろうなって予想できるんだよ。
 で、その期待に応えて
 【衝撃波で二人の敵を一気に倒す】
 カットに繋がるんだよね。
 文章では中々伝わりづらいけど
 こういう面白い演出の映像は
 他ではちょっと見たことないな」


さて続いては特撮TVドラマの
『快傑ズバット』(1977年)の
エンディングで
『男はひとり道を行く』
作詞は八手三郎さん
作曲は京建輔さんです。

「これは映像が見当たらなくて
 字幕入りの静止画なんだけどさ
 ズバットの曲はエンディングも
 オープニングも挿入歌も
 哀愁があって良い曲なんだ」

「エンディングはフルコーラスで
 歌詞がすごく綺麗に整っててさ
 一番が
 『燃える願いに命を賭けた
  山の彼方に何がある
  愛か誠か苦しみか
  戦いの道、火の地獄』
 二番が
 『固い誓いに命を賭けた
  波の彼方に何がある
  風か嵐か高潮か
  戦いの渦、火の地獄』
 三番が
 『熱い心に命を賭けた
  空の彼方に何がある
  雲か光か稲妻か
  戦いの風、火の地獄』
 って繰り返されるんだよね」
「最終回では一番がラストシーンの
 挿入歌として使われて、
 そのまま続けて二番に入って
 エンディングになるって演出でさ
 これがまたジンと来るんだ」

さてさて続けては、
『宇宙海賊キャプテンハーロック』
(1978年)より
オープニングの
『キャプテンハーロック』
作詞は保富康午さん
作曲は平尾昌晃さんです。

映像は2003年に放送された
『SPACE PIRATE CAPTAIN HERROK』
からの流用です。

「これはもう何と言っても
 歌詞が抜群に良いんだよね。
 友人のために腐敗した地球を
 守り続けるキャプテンハーロックの
 カッコ良さが全篇に溢れてるの」
「特に好きなフレーズはBメロかな。
 一番が
 『地球の唄は俺の唄
  俺の捨てきれぬ故郷さ』
 二番が
 『ドクロの旗は俺の旗
  俺の死に場所の目印さ』
 三番が
 『空行く船は俺の船
  俺の捕らわれぬ魂さ』
 こうして文字にするだけでも
 良い詞だなって思う」


さてさて次は特撮TVドラマの
『仮面ライダー』(1979年)の
初期エンディングテーマで
『はるかなる愛にかけて』
作詞は八手三郎さん
作曲は菊池俊輔さんです。

「この曲は俗に
 【スカイライダー】って呼ばれる
 作品のエンディングなんだけど、
 昭和の仮面ライダー全てに通じる
 歌だと思うんだよね」

「今回、動画は見つからなかったけど
 『仮面ライダーBlack』(1987年)
 の第52話で
 『仮面ライダー1号~RX大集合』
 って総集編エピソードがあるんだよ
 そこでこの曲は
 『仮面ライダーストロンガー』
 最終盤、電波人間タックルが戦死
 して7人ライダーが岩石大首領と
 戦うシーンで流れるんだけど、
 これがぴったりハマるんだよね」
村枝賢一さんの
 『仮面ライダーSPIRITS』第1部
 にもよく似合う曲だと思う」


さて、最後になりますが
特撮TVドラマ『時空戦士スピルバン』
(1986年)の後期エンディングで、
『結晶だ! スピルバン』
作詞は上原正三さん
作曲は渡辺宙明さんです。

「これはサビから一気に盛り上がる
 曲なんだよね。
 スピルバンがハイテククリスタル
 スーツを纏う【結晶】ってワード
 と必殺技の【アークインパルス】
 が際立っていて、特撮ソングの
 王道って感じがするんだ」
「曲の話とはちょっと離れるけど
 【アークインパルス】って必殺技が
 大好きなんだよね。
 『俺の怒りは爆発寸前!』って
 決め台詞で
 【ツインブレード】を展開させて
 片側の刃をグッと伸ばして
 敵の動きを止めたあと、
 『アークインパルス!』で
 敵をぶった斬ってから
 爆発する敵に背を向けて
 決めポーズっていう一連の流れが
 すごく綺麗でカッコ良くてさ。
 技名の語感も好みだしね」


さてさて、
長々とお付き合いいただきまして
ありがとうございます。

こうして賀島さんのお話を聞いたり
ネット上に飛び交うみなさんの
コメントを拝読していると、
水木一郎さんの歌声は
こんなにも多くの人々を勇気づけて
いたのかと驚かされました。

改めまして、
水木一郎さんのご冥福を
心よりお祈り申し上げます。

#28 マイナスにとび込め

エロアニメの神様
12 /10 2022
さてさて、
本日はアフレコレポートについての
お話です。

「アニメのアフレコって
 スタッフとキャストさんが揃う
 数少ない機会なんだよね
 制作も大詰めになってきてるし
 その様子をレポートできれば
 良い告知になるんだけど……
 エロアニメの場合、
 ちょっとそれが難しいんだわ
「一体何故でしょう?」

公開出来る画像が少ないんだよね
 エロアニメのキャストさんは
 当然顔出しNGだし
 スタジオ内の様子を公開するのも
 あんまり良い顔されないから」
「スタジオの様子だけでもですか?」
「スタジオ内の画像が公開されると
 例えスタジオ名を伏せてても
 スタジオの公式HPと比較されて
 どこのスタジオで収録していたか
 特定されちゃう可能性があるのよ」
「スタジオ側としては、アダルト作品
 の収録に使われたってことを
 あんまり公にしたくないんだよね」
「ははぁ……それはまた
 ちょっと寂しい話ですね」
「いやいや、
 画像の公開が出来ないってだけで
 エロアニメの収録そのものには
 何の障害も無いんだからさ
 そんなに贅沢は言えないけどね」

「そんなこんなの事情があるから
 エロアニメのアフレコレポートは
 公開できる画像がアフレコ台本の
 表紙だけだったりするんだよ
「キャストやスタジオが特定されない
 アフレコレポートマンガとかなら
 問題は無いんだろうけど
 そこまでの手間と時間はなかなか
 掛けられないからさ」
「なるほど」

「……まぁ、エロアニメじゃなくても
 アフレコの情報公開には
 気をつけた方がいいんだけどね
「どういうことですか?」

「昔、師匠のところで
 TVアニメに関わっていた若い頃、
 やっぱりアフレコには
 毎回立ち会ってたんだよ」
「はいはい」
「で、ある時、
 収録が終わってスタジオのロビー
 に出てくると、やたら元気な声で
 『お疲れさまでしたー!』
 って皆に声を掛けてくる若い男性
 がいたんだよね
「見慣れない顔だったんだけど、
 どこかの声優事務所の若手さんか
 雑誌の取材の方かなと思って
 その時はそれ以上特に
 気にしてなかったんだけどさ、
 翌週のアフレコの行った時、
 実はその男性が、一般のファン
 だったって教えられたんだよ
「ええっ?」

アフレコスタジオってさ
 スタジオの中まで入るのは
 さすがに目立つんだけど
 皆が休憩してるロビーとかは
 結構簡単に入れちゃうのよ。
 TVシリーズの収録中とかは
 人の出入り多いし、
 部外者でも堂々としていたら
 意外と怪しまれなかったみたい」
「その若い男性は
 一体何が目的だったんですか?」
ある役者さんのファンだったのよ。
 別にそんな悪気は無くてさ、
 その人の出待ちをするつもりで
 スタジオに来て、ロビーにまで
 入ってきちゃったみたい。
 お目当ての役者さんに
 『いつも応援してます
  頑張ってください!』
 てな感じで話しかけてきて
 やっと素性が分かったらしいよ」
「ははぁ……なるほど」

「まぁ当時は笑い話で済んだんだけど
 よく考えるとおっかないよね。
 三年前の夏に起きた
 京都アニメーション放火殺人事件
 みたいにさ、
 スタッフやキャストさんに悪意が
 ある人物でも、簡単にスタジオの
 中まで入れちゃうっていうのは
 ちょっとね
「確かにそうですね」
「ただ、TV局やラジオ局みたいに
 入場チェックをするとなると
 手間も人手も掛かっちゃうだろうし
 なかなか難しい問題だと思うよ」

「そんなこんなで、
 アフレコの日時や収録スタジオは
 あんまり公にしないのが
 暗黙の了解になってる気がする
「TVシリーズの場合、
 毎週同じ日時、同じスタジオで
 収録することが多いから、
 うっかりTwitterで
 『今日は○○の収録でしたー!』
 とか呟いちゃうと、
 収録の曜日が公になっちゃうし
 スタジオの外で撮った写真でも
 場所が特定されたりするしね」
「……しかし、何と言いますか……
 せっかく便利なツールがあるのに
 それが有効活用されずに
 悪用されてしまうというのは
 ヒトの世界は何とも皮肉ですね」

まぁそう悲観したものでもないよ
 アニメ制作をやってると
 予算、スケジュール、人手、
 全部が完璧なんてことは
 まずありえないわけでさ。
 ダメなことはダメって諦めて、
 与えられた条件の中で
 やれることを精一杯やれば
 それでいいんじゃないかな?

賀島さんをはじめ、
エロアニメ業界の方々は
簡単にへこたれないと言うか……
逆境に強いのだと思います。

「さてと、今日の一曲なんだけど
 『TAROMAN』
 『爆発だッ!タローマン』
 が聞きたいな」

『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』
2022年7月にNHKで放送された
一話5分間の特撮テレビドラマです。
監督・脚本他を藤井亮さんが
務められています。

「1970年代に制作された特撮番組
 っていう体の作品でさ。
 TAROMANはもちろん、登場する奇獣
 や宇宙人も全部、岡本太郎さんの
 作品がモチーフなの」
「TAROMANは
 単なる巨大ヒーローじゃなくて
 【芸術の巨人】なんだよね。
 岡本太郎さんの生き様を
 反映しているみたいで、行動が
 すごくシュールででたらめで
 それが何とも魅力的でさ」
「主題歌の
 『爆発だッ!タローマン』
 岡本太郎さんの言葉を繋いで
 作られた歌詞なんだけど、
 よく聞くとすごく考えさせられる
 フレーズばかりなんだよね」

動画の埋め込みができないようなので
こちらにリンクを貼っておきますね。

賀島さんは今月発売された
『超復刻版タローマンかるた』
購入されています。
その中で特にお気に入りの一枚が
『爆発だッ!タローマン』
サビでもある一節、

『うまくあるな
 きれいであるな
 ここちよくあるな』

だそうで、
読み札をデスクマットに入れて
飾っておられます。

「モノ作りをしている人には
 刺さるフレーズじゃないかな?
 長く仕事で制作をしていると、
 どうしても上手く綺麗に心地よく
 小さくまとまった作品を作りがち
 だと思うんだよ。
 岡本太郎的な精神っていうのは
 いつも胸の中のどこかに
 キープしておきたいと思うよ」

本日も長々とお聞きいただいて
ありがとうございました。
一時期は毎週更新を
目指していたのですが、
ちょっとどうしても無理っぽいので
最近は毎月10日、20日、30日に
更新できればと考えております。
あまり頻繁に更新できず恐縮ですが
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

佐和山進一郎

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