#30 エロは没入する必要がある
エロアニメの神様アニメソングや特撮ソングを
振り返ってたら、
【ベルスター】のことを
思い出したんだよね」
ベルスターというのは
1976年に放送された特撮TVドラマ
『ザ・カゲスター』
に登場する特撮ヒロインです。
水木一郎さんが歌うオープニング
『輝く太陽カゲスター』と合わせて
先ずはこちらの映像をご覧ください。
作詞は八手三郎さん
作曲は渡辺岳夫さんです。
「ベルスターはミニスカートに
二の腕を出した衣装で
日本の特撮史の中でもかなり
露出度が高いヒロインなんだよね」
「ところがこれが
そんなにいやらしさを感じない。
それより先にそのマスク、
特に【目の異形さ】に
みんな惹き込まれちゃうんだ。
鼻から下の素顔が見えているのも
異形さに拍車を掛けてる気がする」
「なるほど」
「これはエロを考える上では
意外と大切なポイントでさ。
つまり人はエロいことを考える時、
【エロに没入する必要がある】
ってことなんだよ。
他に何か気になることがあると
エロに集中できないってわけ」
「リアルにセックスする時ってさ、
一旦スイッチが入っちゃうと
お互いあんまり喋んなかったり
するじゃない?」
ごめんなさい。
私はリアルでセックスができないので
ちょっとよく分かりません。
「前回もチラッと話した
植芝理一さんのコミック
『ディスコミュニケーション』でも
こんなセリフがあるんだ。
『たとえばどんなにカワイイ
パンチラでも……
チョンマゲをかぶってやれば
ただのバカである!
パンチラも全く無意味な
“お笑い”になってしまう』
……ってね」
『ディスコミュニケーション』は
1992年から2000年にかけて
『月刊アフタヌーン』に掲載された
植芝理一さんのコミック作品です。
賀島さんが引用されたのは
学園編Ⅰの第9話
『神はスカートの中に宿るⅢ』
の一節です。
「これはまた少し別の話だけどさ。
お菓子を食べながらAVを観てたら
なかなかオナニーする気には
ならないと思うんだよね」
「そういうものですか」
「だから私は
仕事でエロゲーの解析をする時、
ガムとか飴を食べながら
やったりするんだよね」
「はい?」
「……いやさ、
フルプライスのゲーム解析だと
一週間くらいかかるんだよ。
その間、ずっと没入してオナニー
したくなってると結構辛いから、
ちょっと気を逸らして、冷静に
客観的になれるようにしてるの」
「ははぁ、なるほど」
「そうそう、
カゲスターの話に戻るけどさ、
ヒロインの衣装がちょっとエロく
見えないってだけで、
特撮TVドラマとしてはなかなか
面白い作品だったと思うんだ。
『仮面ライダー』(1971年)や
『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)
がもう世に出ている中で、
何とか新しいヒーローを創ろう
っていう気概に溢れてるよね。
マントを生かしたアクションも
映像映えしてたと思うし、
タイトルロゴもセンスが良くて
すごく好きなんだ」
「ベルスターは勿論、カゲスターも
かなり異形のデザインでしょ?
オープニングにも
『影の魔人だカゲスター』
ってフレーズがあるけど、
ヒーローっていうより魔人っていう
イメージがしっくりくるのかも」
「もし今リメイクするなら
ベルスターを主人公にして、
カゲスターはランプの魔人みたいな
立ち位置が面白いかもね。
CGを使っちゃえば大きさも形も
自由自在な魔人が作れるし、
色々と面白くできる可能性がある
作品だと思うんだよね」
賀島さんはアニメや漫画だけでなく
特撮にも思い入れがあるようです。
「……実はね、特撮がらみでも
エロシナリオのお仕事をしたこと
があったんだよね」
「ほほう」
「特撮AVメーカーのGIGAさんが
ホームページででライターを
募集してたことがあってね。
そこに申し込んで、ちょこっと
お手伝いさせてもらったんだ」
「まあAVなんで、絡みに関しては
そんなに細かい台本は無くてさ。
提示されたストーリーを基に
要所要所の決めゼリフをまとめた
って感じだったかな。
作業量としてはプロットを少し
膨らませたくらい分量だね」
賀島さんがシナリオを手掛けたの
いずれも2016年の作品で、
の二本だそうです。
ご興味のある方はぜひぜひ。
「さてさて、改めてお伺いしますが
エロメディアの観点から見て、
特撮ヒロインものの魅力とは
一体なんでしょう?」
「そうだねぇ……まずはヒロピン、
【ヒロインピンチ】の要素は
外せないかな。
正しく清らかで凛々しく可憐、
そういう存在を穢したり辱めたり
屈服させたいっていう欲望が
あるんだと思うよ。
特にSっぽいユーザーさんに」
「正義の特撮ヒロインは
エロとは真逆の存在で
イメージのギャップもそれだけ
大きいわけじゃない?
何度か言ってる話だけど、
エロメディアの刺激は右肩上がり
に段々強くしていくこと、
【昂り】を作ることが大事でさ。
彼女達とエロのギャップが大きい分
【昂り】の幅も大きくなって、
より際立つんじゃないかな」
「あともう一つは、特撮ヒロインの
コスチュームの魅力だね。
まあでもこれは、
カッコ良いだけでもダメだし
カワイイだけでもダメだし
勿論エロいだけでもダメだし
なかなか難しいんだけどね」
「ちなみに賀島さんが
心に残ったコスチュームというと
どんなものがありますか?」
「んーとね……
『美少女仮面ポワトリン』(1990年)
のポワトリンは印象深いかな」
「ベルスターと基本的なデザインは
共通してるんだけどさ。
目の部分を普通のマスクにして
可憐さを強調しただけで随分と
印象が違って見えたんだよね」
「2012年に公開された映画
『仮面ライダー×仮面ライダー
ウィザード&フォーゼ
MOVIE大戦アルティメイタム』
にゲスト出演したポワトリンの
衣装が特に好きだね。
TV版より軽やかに動きやすく
なってる感じがしてさ」
「あとこれはテレビじゃないけど
『けっこう仮面』の衣装は
やっぱりすごいと思うよ」
『けっこう仮面』は永井豪さんが
1974年に発表したコミック作品で
それを原作としたオリジナルビデオ
や劇場作品が1991年~2012年までに
11本も制作されております。
「これはもう永井豪先生のセンスを
褒めるしかないよね。
あまりに突飛な衣装で、ちょっと
面白くも感じちゃう。
あんど慶周さんの
『究極!!変態仮面』(1992年)にも
その遺伝子が受け継がれている
気がするよ」
「茨城県のご当地ヒーロー
『時空戦士イバライガー』の
【イバガール】も紹介したいな」
「特に身体のどこかが露出してるって
わけじゃないんだけどさ。
ムチムチの体にスーツが密着して
すごく印象に残るんだよね。
制作側が意識しているのかどうか
ちょっと分からないけどさ」
「スーツの質感によるのかな?
『仮面ライダーなでしこ』や
『ウルトラマングリージョ』も
妙に体形が強調されて見えちゃう
んだよねぇ」
「最後に『メガロマン』(1979年)の
【高嶺ラン】にも触れておこうかな」
「これは素顔が丸出しになってるけど
一応、メガロンブレスレットの力で
エナジーアップされたレオタード型
エナジースーツなんだって」
「このハイレグレオタードで
中国拳法を使うキャラだから
余計に足が強調されるんだよね」
「……あと、これは本編とは
直接関係ないんだけどさ。
高嶺ラン役を演じていた
杉まどか(杉もとみな子)さんが
番組終了後にヌードグラビアを
披露してるんだよね
これがまたすごく印象的でさ」
「それは、印象的なヌードグラビア
という意味ですか?」
「いやそうじゃなくて、
さっき言ったイメージのギャップ
の問題だと思うんだ。
こちらとしては、正義のヒロインの
印象がどうしても残ってるから。
そこでヌードを披露されると
イメージのギャップが大きくて
インパクトが強いと思うんだ」
「『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)
に嵐山美佐役で出演されていた
根本由美さんは
にっかつロマンポルノの
『軽井沢夫人』に出演されてるし、
『科学戦隊ダイナマン』(1983年)
でダイナピンクを演じていた
萩原佐代子さんもヌードグラビア
を披露しているし、そういう例は
結構あると思うんだけどさ。
やっぱり自分が子供だった頃の
特撮ヒロインのヌードとか
ラブシーンは強烈に覚えてるね」
「ははぁ……
そういう観点もありますか」
「今回触れたのは特撮ヒロインの
戦闘服についてなんだけどさ。
特撮ヒロインは私服だって着るし
コスプレすることもあるし、
魅力的なコスチュームはまだまだ
いっぱいあると思うんだ。
悪の組織側にだって女性キャラは
いるわけだしさ」
「あと、これはアニメでも言えるけど
アクションをする以上、
動かしやすさだって考えなくちゃ
いけないからね」
「なるほど……
単純に露出度を増やせば
エロくなるとか魅力的になるとか
そういうことでもないですし、
衣装一つとっても
なかなか難しいものですね」
「まあ、だから作る方は
面白いんじゃないかな?」
取り留めのない世間話のように
なってしまいましたが
年内の更新はこれで最後です。
新年もなるべく10日・20日・30日に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てください。
まだまだ寒い日が続くようですので
皆様くれぐれも
お身体ご自愛下さいませ。
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