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番外編 コロナウイルス感染記

エロアニメの神様
08 /30 2022
さて、今回は番外編ということで
賀島さんご一家がコロナウイルスに
感染されてしまった経緯と、
自宅療養の様子をご紹介したいと
思います。

そもそものきっかけは、
奥様と二人のお嬢さんが、奥様の
ご実家に帰省されたことでした。

「帰省って言っても同じ県内だし
 感染者も少ない地域だったから
 大丈夫だと思ってたんだけどねー
 一緒に食事した親戚の中で
 感染者が出ちゃったからさ。
 やっぱそれはダメだったね」
「でもこれは仕方なかったと思う。
 コロナでここ数年帰省できなくて、
 今年はどうしてもって話だったし
 親戚関係のしがらみってヤツだよ。
 そういう事情の人って
 いっぱいいたんじゃないかなー」

お盆休みが終わった後、
16日(火)のお昼に賀島さんが車で
ご家族を迎えに行く予定でしたが、
その日の朝にご親戚の感染が発覚。
賀島さん一家は症状が無かったので
とりあえず自宅に戻ったのですが、
17日(水)に奥様が、18日(木)に
高校生のお嬢様が発症されました。

そしてその翌日、19日(金)には
とうとう賀島さんご本人も
発症されてしまったのです。

「家事の中心だったカミさんが
 真っ先に感染しちゃったのが
 痛かったよねー
 娘も俺も気を付けていたんだけど
 やっぱ看病とか食事でどうしても
 側に寄る機会が多くなるからさ。
 これもまぁ……仕方ないよね」

「ちなみに、ワクチンは接種されて
 いなかったのでしょうか?

俺と高校生の娘は二回目まで
 ワクチン接種してたんだ。
 娘は去年高校受験だったし、
 俺は母親の介護があったから
 ケアマネさんに指導されてさ。
 ところがワクチンの副反応が
 二人とも結構デカくてねー
 三日くらい寝込んだんだよ。
 で、三回目は接種してないし
 カミさんと下の娘は、一回も接種
 してなかったんだわ

さてさて、
発症されてからの自宅療養について
なのですが……

「いや本当はね、家族も自分も
【発熱外来】を受診したかったん
 だけどさ。予約の電話がもう全然
 繋がらなくてねー
「あらららら……」
「で、地元の市のHPを見たら、
 高齢者や持病がある人以外は、
 無料で【PCR検査キット】
 送るから、それで唾液を採取して
 担当のクリニックまで返送して
 ほしいってことだったの」
「なるほど」

「でもこれが、なかなかに時間と
 手間がかかる検査でさ
 まず、一日の検査数が決まってて
 午前中の決められた時間に急いで
 申し込まないと、あっという間に
 その日の検査が締め切られちゃう
「それはそれは……」
「18日にカミさんの申し込みをして、
 19日に上の娘、20日に自分の分の
 申し込みをしたんだけどね。
 検査キットが手元に届いたのが
 もう22日と23日でさ。
 すぐ唾液を採取して返送したから
 翌日にはメールで検査の結果が
 届いたんだけど……
 その頃にはもうさ、家族も自分も
 症状が治まりだしてたんだよね~

「検査結果はいかがでしたか?」

「それはもう、家族全員シンプルに
 【陽性】ってだけ。
 そこから改めてWebで問診して、
 検査をしたクリニックから
 保健所に報告が行ったみたい」
「ははぁ……」
ただ、検査結果が陽性でも
 重症化していない患者さんは
 入院できるわけでも薬が処方される
 わけでも何でもなくてさ。
 市販の薬で症状をごまかしながら
 ただ安静にしてるだけなの
「保健所に報告されたあとでも
 特設のサイトを通じて体温や体調
 を毎日報告するだけなんだよね。
 コロナ感染者への対応がある意味
 システム化されてる感じかな。
 よく考えたら全部がWebサイト
 やメールを通じての対応で、
 直接人と話すことは無かったね」

コロナコロナって大騒ぎしてるけど
 実際の治療ってビックリするぐらい
 何にもしないんだなーって思ったよ
 勿論、これは昨今の第7波の話で
 今までどうだったか知らないし
 これからどうなるかも
 よく分からないんだけどさ」

「自宅療養期間中、具体的な症状
 どんな感じだったんですか?」

発症してから3~4日は
 38~39度台の高熱と喉の痛みが
 とにかくキツかったなー。
 ネットの聞きかじりで解熱剤は
 飲んでもいいってことだったんで、
 バファリンを4~5時間おきに
 ガンガン飲んじゃってたね。
 食欲もあんまり無かったから、
 家族でウイダーinゼリーばっかり
 食べてたよ。喉がすごく痛い時、
 冷たいゼリーは食べやすくてさ」

「ご家族で発症しなかったのは
 小学2年生のお嬢さんだけ
 だったんですよね?
 よく何とかなりましたね」
「最初にカミさんが発症した時、
 近所のスーパーに行ってさ、
 お惣菜に冷凍&インスタント食品、
 ゼリーに冷えピタにペットボトル
 ……自宅療養に要りそうなモノを
 大量に買っといたんだよね
「あと、近所に24時間営業の
 ドラッグストアがあったから、
 下の娘には家族代表で毎日お使い
 に行ってもらってたね。
 まぁ、夏休み期間中で助かったよ」

5日目位から熱が下がってきたね。
 あとは喉の痛みと倦怠感、息苦しさ
 が何日か続いて、頭痛と咳と鼻水
 が散発的に発症してたね
「結局のところ、
 典型的な軽症患者って感じかなー
 市のHPとかに書いてあった通り
 一週間位でほぼ症状が治まって、
 一応10日間は自宅療養ってことで
 安静にしてたよ。
 家族も大体似たような感じで、
 ありがたいことに後遺症とかも
 今んとこは無いみたい」
「それは何よりでしたね」

「あとはまあ、夏休みを2週間近く
 棒に振っちゃった分、
 9月に入ってからでも
 娘たち二人に何か埋め合わせを
 してあげたいもんだね。
 ……そのためには、
 遅れちゃってる仕事の調整も
 しなきゃいけないんだけどさ」

「自宅療養期間中、お仕事は全く
 されていなかったんですか?」
「うん。
 これはコロナに限った話じゃない
 んだけどさ。
 体調が悪い時には、無理して仕事
 しないようにしてるんだ。
 どうしてもエッチシーンが
 淡泊になっちゃう気がしてさ
「淡泊?」

「恋人でも夫婦でも、
 疲れてると【義務感】でセックス
 しちゃうことってあるじゃない?
 エッチシーンを作る場合も同じで
 疲れてると面倒くさくなって
 無意識にエッチを急いじゃう。
 とにかくさっさと挿入させて
 ピストンして射精して
 早く終わらせちゃおうって
 エッチシーンになりがちなのよ
「ははぁ……なるほど」
言い方を変えると、
 粘りとか遊び心が足りない……
 作り手が楽しんでないエッチシーン
 になっちゃうってことかな

コロナウイルス感染について
お話を伺うつもりだったのですが、
期せずしてエロアニメ制作についても
お話が広がりました。

間もなく9月となりまして
猛暑もひと段落した感があります。
実りの秋ということで
賀島さんにはぜひまたお仕事を
頑張って頂きたいと思います。

「……これは余談なんだけどさ
 自宅療養中、ウイダーinゼリー
 ばっかり食べてたから、
 少しは体重が落ちるかも……
 なんて期待してたんだけど、
 1kgも減らなかったなー」
「あと、療養中の8月23日が
 【天赦日】ってことで
 悪いことが続いた後には
 良いこともあるんじゃないかと
 スポーツくじのBIGを3000円
 買ってみたんだけどさ……
 やっぱり全然ダメだったねぇ」
「それはまた、何と言いますか……」

身体が弱ってる時って
 やっぱり気持ちも弱くなるんだね
 少しでも良いことを探そうとしたり
 根拠のない幸運を求めたりさ。
 まあこれはこれで、貴重な体験が
 できたと思うようにするよ」

申し訳ありません

未分類
08 /23 2022
更新が滞っておりまして
誠に申し訳ありません。

2週間ほど前から、賀島さんが
ご親戚のコロナ感染、
ご家族のコロナ感染、
そしてご自身のコロナ感染
という事態になっておりまして、
現在療養中です。

相変わらず私には
ただ見ていることしかできなくて
心苦しいばかりなのですが
今しばらくお時間頂ければと思います。

幸い今のところ
重症化はしていないようですが、
やはりコロナは
『ただの風邪』ではないようです。

皆様もくれぐれも
お身体ご自愛くださいませ。

#18 怒りの獣神

エロアニメの神様
08 /10 2022
その日、
私は賀島さんにお付き合いして
アフレコの見学をしていました。

前半パートの収録が終わって、
スタジオのロビーで
皆さんが寛いでいたところ、
ロビーの入口から女性の怒鳴り声が
聞こえたのです。

「待って、これってどういうこと!?
 私聞いてないんだけど!?」

振り返ってみると、
本日の出演者の女性の一人が
先輩の女性に怒られているようでした。
聞き耳を立てるつもりは
なかったのですが、大きな声なので
話の大筋が分かってしまいます。

「内緒にしてたってことは
 うしろめたかったわけでしょ!?」

どうやらその役者さんと先輩の女性は
専門学校か養成所で講師と生徒の
関係であったようです。
役者さんはエロアニメのお仕事をする
のは初めてらしいのですが、
それを内緒にしていたのが
女性講師さんは腹立たしかったようです。

要するにですね。
この女性講師さんは、エロアニメが
嫌いみたいです。

「あなたはこういう仕事が
 本当にしたかったわけ!?」

【こういう仕事】とはまた失礼な。

キャリアの浅い役者さんにとって、
例えセリフが少なくとも、スタジオで
収録する機会は大変貴重です。
お芝居と関係の無いアルバイトを
しているよりも、遥かに学びが多い
のでないかと思います。

加えて、
音響監督さんや音響スタッフさんは
エロアニメのお仕事だけされている
わけではないので、もしこの現場で
名前を覚えてもらえたら、
エロアニメ以外のお仕事に繋がる
可能性もあるわけです。
いわばチャンスなのです。

「……確かにそうだな。
 神様もよく勉強してるね」

賀島さんは私にだけ届くように
心の中で語りかけてきました。

「あと、音響監督さんは、
 収録の途中であんまり役者さんを
 𠮟りつけたりしないよね
「どういうことでしょう?」
収録の場の空気が悪くなるし、
 若い役者さんを𠮟りつけたりすると
 萎縮しちゃって良いお芝居なんか
 できなくなっちゃうもの
「ははぁ……なるほど」
「舞台の稽古みたいに
 時間が凄くあるんならともかく、
 アフレコの現場は
 稽古の場じゃないからね。
 元々下手なお芝居を何とかする
 時間の余裕はないんだわ。
 収録現場では
 その役者が元々出来る
 ベストのお芝居を引き出すことを
 まず第一に考えるんだよ
「何か問題があったとしても、
 𠮟りつけるなら収録の後だよね。
 とにかく作品の収録が
 最優先なんだから

「ちょっと話は逸れるけど、
 例えばゲーム原作の出演者で
 アニメの収録が初めてっていう
 役者さんがいた場合、
 その人だけ入り時間をずらして
 単独で収録したりするんだよね」
「どうしてですか?」
他の役者さんの前で
 何度もリテイクを繰り返していると
 相手の役者さんや待たせてる他の
 役者さんに申し訳なくて、
 『どうしようどうしよう』って
 どんどん萎縮しちゃうんだよね。
 そうなるとやっぱり良い芝居は
 引き出せなくなっちゃうから
「なるほど、そうですね」

「……そう考えると、
 あの女性講師さんの行動は
 ちょっと認識不足なのかな?」

さらに私が腹立たしく思うのは、
今現在、このスタジオは
エロアニメの制作会社さんがお金を
払って借りているわけで、
我々のエロアニメを
『こういう仕事』
呼ばわりする彼女が、この現場の空気
を悪くしていることなのです。

礼節と配慮を弁えぬヒトには
【神の雷】を与えましょう。

「……え? そんなのできるの?」

「はぁあぁぁぁあぁああぁっ!……」

私が渾身の怒りを込めて
その女性講師さんの額に向け放った
【神の雷】は、
彼女にとって蚊に刺されたくらいの
感覚しか無かったらしく、
彼女は前髪を軽く直しただけでした。
やはり生まれて間もない私の力は
ヒトの世界にはこの程度しか
干渉できないようです。

「……あのー、ちょっとすいません」

すると、賀島さんが
その女性講師さんに話かけました。

「まだ収録が残ってますんで、
 お話はまたその後にでも
 よろしいでしょうかね?」

突然他人から話しかけられて、
彼女も少し冷静になったようです。

「……あ、すいません。
 失礼しました」

そこでようやくその役者さんへの
叱責は終わったのでした。

しかし私は、
まだ少しもやもやしていました。
どうせならもっと強く
我々の怒りを伝えていただいても
良かったのではないかと。

「……やだよ、そんなの。
 エロアニメに関わることで
 揉め事なんか起こしたくない。
 少しでも長く仕事したいから。
 場がとりあえず収まれば
 それで十分じゃない」
「はぁ……」

私がまだ不満げな顔をしていると
賀島さんは苦笑いして
こう付け加えました。

「それにまぁ……何て言うか、
 『うらみを買うのはなれてるよ』

それは手塚治虫先生の
『ブラックジャック』187話
『殺しがやってくる』の一節でした。

そこで私はハタと気づいたのです。
長くエロアニメの仕事をされている
賀島さんやスタッフの皆さんは、
こうした理不尽で謂れのない差別を
何度も受けてきたのではないかと。

「……好きでやってる仕事だけど
 万人に好かれる仕事じゃないからね」

その後、アフレコの後半パートは
無事に収録されましたた。
叱責されていた女性キャストさんは
賀島さんたちスタッフの所にきて
お詫びをされていました。
もちろん、賀島さんを始め、
彼女を責める人は誰もいませんでした。

「……でも神様が
 代わりに怒ってくれて
 少しだけスッとしたよ。
 ありがとう」

様々な思いを胸に秘めつつ
今日もエロアニメ業界を支えて下さる
スタッフさん達のために、
今の私の気持ちを代弁してくれる
この曲をご紹介します。
1989年にサンライズさん制作で
放送されたオリジナルTVアニメ
『獣神ライガー』
1~28話までのオープニングです。
『怒りの獣神』


「これもテンションが上がる
 良い曲だよねー。
 プロレスラーの
 獣神サンダー・ライガーさんの
 入場テーマの印象も強いよなー」

私はエロアニメ制作にも製作にも
何の役にも立ちません。
ただ少しだけでも
賀島さんの気持ちを癒せたようなので
今日はここまでにしたいと思います。

#17 ビリーバーズ

エロアニメの神様
08 /03 2022
エロアニメやエロゲー、エロマンガ
といった二次元エロメディアには
【淫語】と呼ばれる表現が
多用されています。

ウィキペディアを覗いてみると
【淫語】とは、
【いやらしい言葉
 淫らな言葉を指すスラング】
ということだそうです。

「淫語ってのは、二次元エロメディア
 にとって実に面白い要素だよね」
「面白い?」
「例えばさ、挿入中のシーンで
 よくこんなセリフ書くんだよね」

『……やぁっ……あっ……はっ……
 あぁああっ……だっ……だめぇっ
 ……そんなっ……激しくしないで
 ぇええっ……あ……熱いのが……
 奥にっ……奥に当たってぇっ……
 ああぁっ……すごぃいいぃっ……』

「……ところがさ、実際セックスの
 途中でこんなに喋る女の子いないし
 もしAVとかピンク映画で女優さん
 にこんなに喋らせちゃったら
 不自然に見えると思うんだよ。
 だから淫語ってのは、
 二次元エロメディアならではの
 特徴だよね」
「なるほど」

「もちろん、ずーっとこの調子で
 全編淫語を喋り続けていると
 逆にうるさく感じちゃうからさ。
 エロアニメだと喘ぎだけのセリフも
 入れたりして、バランスを取って
 るんだけどね」
「エロゲーだともっと淫語連発で
 畳みかけるのもアリなんだろうけど
 エロゲーの画像は基本静止画だし
 ユーザーが自分でクリックして
 タイミングを調整できるから
 うるさく感じないと思うんだ」
エロゲーが原作の
 エロアニメシナリオを書く場合、
 良い言い回しの淫語があると、
 ついつい、どんどん盛り込みたく
 なっちゃうから、その辺は自主的に
 気をつけてるよ

「……あとね、
 さっき例に挙げたセリフだけどさ。
 実は、絵で見れば分かることを
 敢えてセリフにしてるんだよね
「あらららら?……
 言われてみれば確かに……」
「激しく動いてるのも、熱いのが挿入
 されてるのも、見れば分かるし、
 女の子がちょっとメロメロなのも
 表情で伝わるでしょ?」
「極端な例えをすると、
 笑っている女の子にセリフで
 『私、楽しくて笑ってるの!』
 って言わせてるみたいなもんだよ。
 よくよく考えるとおかしいんだけど
 不思議と違和感は無いんだよね
「元々は静止画メインのエロゲーで
 キャラの動作を補足する意味が
 あったんだと思うけどさ、
 女の子が、敢えてHな言葉を喋る
 っていうのが、二次元エロでは
 実に効果的だったんだよね……
 面白いじゃない?」

同じエロでも、メディアによって
 特性の違いがあるわけですね
「うん、そうだと思うよ。
 エロアニメには
 動画ならではの良さがあるけどさ、
 エロゲーみたいなボリュームが
 あるマルチエンディングの物語は
 展開できないし、
 エロゲーのCGみたいな細かい
 書き込みはアニメには無理なのよ。
 エロマンガには、描き文字やエロ
 擬音の魅力があるし、
 低価格で買えるのもポイント高い」
「どれも甲乙付け難いわけですね」

甲乙なんて
 そもそも付ける必要がないんだよ
 何度か言ってるけど
 【エロメディアは刺激のメディア】
 だからさ。
 お客さんがなるべと飽きないように
 エロメディアの選択肢は多い方が
  良いと思うよ
「二次元エロが好きなお客さんだって
 エロアニメしか絶対観ませんって
 人はあんまりいないでしょ?
 昂奮できそうな作品があれば
 エロゲーだってエロマンガだって
 買うことはあるだろうしさ」
同じエロアニメでもさ、
 学園もの、ファンタジーもの、
 純愛もの、レイプもの、痴女もの
 巨乳もの、ハーレムもの……
 色んなジャンルがあった方が
 配信サイトに定額見放題で
 加入してくれてるユーザーさんは
 嬉しいじゃない?
「なるほど、そうですね」

「二次元エロメディアの話からは
 ちょっと逸れちゃうんだけど、
 エロゲー原作じゃないエロノベル
 いわゆる官能小説だとさ、
 表紙でも挿絵でも、敢えて女性の
 表情をハッキリと描かなかったり
 するんだよね」
「どうしてですか?」
「特定のビジュアルを出さないことで
 読者それぞれが好みに合った理想
 の女性の姿をイメージできるよう
 にしてるんだよ」
「ははあ……なるほど」

「だから官能小説にはHなビジュアル
 はほとんど付いてないわけ。
 それでも、駅のホームの売店には
 官能小説が何冊か置いてあったり
 するんだよね。
 ホームの売店はスペースが狭いから
 需要が少ない商品は置かない……
 言い方を変えると、それだけ需要
 があるってことだよね
「昔と違って、スマホやタブレットを
 使えば、外出先でもエロメディア
 を楽しむことは幾らだってできる
 はずなのにさ」

「つまりそれだけエロメディアには
 多様性が求められてるんだよ
「ラーメン、カレー、牛丼、お寿司
 ……この中でどれが一番美味しい
 なんて考えても意味が無いよ。
 食事は毎日食べるんだから、
 色んなお店、色んなメニューの
 選択肢があった方が飽きなくて
 いいと思うんだよね」

食べ物の例え話が出てきたのは
夕食時が近いからかも知れません。
私はそろそろお暇した方が
良さそうです。

「……そうそう、先月レイトショーで
 『ビリーバーズ』を観たんだよ」

『ビリーバーズ』は7月8日に公開
されたR15+指定の劇場映画です。
山本直樹さんが1999年に描かれた
コミックが原作になっています。

とある宗教団体に所属している
二人の男性と一人の女性が
教団のプログラムの一環として
無人島で生活する姿を描く作品です。

エロをモチーフにした映画は、
 エロメディアとはまた違った特性
 があるんだよね。
 いくらR15+やR18+であっても
 あんまりガンガン昂奮を煽っちゃ
 ダメだと思うんだ。
 劇場でオナニーするわけには
 いかないんだからさ」
「確かに」

「このお話はさ、
 無人島で男女三人の共同生活とか
 素足になって、足の裏を合わせる
 宗教団体の儀式とか、
 直接的じゃないんだけど、
 じわーっと官能を掻き立ててくる
 感覚ですごく心地よいんだよね」

「宗教団体のプログラムで
 【自分が見た夢を告白する】
 ってのがあるんだけどさ、
 非日常的な生活で、段々人間の欲望
 が剥きだしになっていく姿が
 虚実曖昧に見えてくるお話でさ。
 終盤は結構エキセントリックな
 展開なんだけど、それがすごく
 シュールで面白かったよ。
 レイトショーで観たのが
 また良かったのかもしんない」

「山本直樹さんの作品は、
 映画とすごく相性が良いと思うよ」

ではでは、
予告編動画をご紹介しておきますね。


公開から間もなく一か月が経ちますが
まだ公開中の劇場さんも、
これから公開される劇場さんも
数多くあるようです。
ご興味のある方はぜひ。

淫語のお話から思わぬ方向に
話題が膨らんでしまいましたが、
今回のお話はこの辺で。

佐和山進一郎

エロアニメ・エロゲームのシナリオ
エロ小説のお仕事、随時募集中!
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