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#37 いつの日か

エロアニメの神様
03 /10 2023
さてさて、本日はエロアニメの
男性キャストについて
お話を伺いたいと思います。

「エロアニメってのは基本的に
 女性のエロい姿を映すモノだからさ
 その中で男性キャストに
 求められるのは、
 女性を上手に支えて
 如何にエロく輝かせるか?
 ってことなんだよね
「もちつきでお餅をひっくり返す
 返し手とか、
 フィギュアスケートのリフトで
 女性を持ち上げる男性スケーター
 みたいなイメージかな?
 自分が前に出て目立つんじゃなく
 相手を輝かせることに
 存在意義があると思うんだよね」
「なるほど」

「男性Dとかに配役されると
 何とか男性A~Cと差別化しよう
 とか爪痕を残そうとか考えて、
 すごく奇抜なお芝居をしたり
 アドリブを入れてくるような
 男性キャストさんがいるんだけど
 そうじゃないんだわ。
 自分が目立つことじゃなくて
 女性のこと、作品全体のことを
 考えてほしいんだよね

「大体、爪痕を残そうとか
 余計なことを考えなくたって
 ちゃんと自分の役割をこなしてれば
 音響監督さんだって、
 監督やプロデューサーさんだって
 ちゃんと見ているからね」
「そういうものですか」
「役者さんが関わるねは
 アフレコだけなんだけど、
 音響監督さんはその後に
 効果音や音楽を入れる
 ダビング作業があるわけだし、
 監督やプロデューサーは、
 更にその後に編集やモザイク入れ、
 DVDの検証盤チェック、
 告知ムービーの作成やらで
 同じ映像を何度も観るんだから」

「ただまあ、
 男性キャストさんってのは
 なかなか難しい仕事だと思うよ。
 さっきも言ったけど
 エロアニメの映像は
 女性をエロく映すものだから
 男性キャラは顔がまともに映る
 カットが少ないし
 オフ台詞ばっかりだからね

「ゲーム原作作品で、
 原作のキャストさんに出演を
 お願いする場合でも、
 男性キャストだけは
 原作ゲームに声が入ってないから
 当然新規の配役になるじゃない?」
「そうですよね」
「そうなると、
 女性キャストは物語も作品世界も
 最初から十分分かっているのに、
 男性キャストは一から勉強しなきゃ
 いけないわけさ

「ハーレムもので
 色んなタイプの女性キャラが
 主人公とエッチする作品だと
 女性キャストは
 次々に入れ替わっていくけど
 主人公の男性キャストは
 ずーっと出ずっぱりだからね

「その辺をよく理解しないで、
 メインは女性だからって
 男性キャストに経験の少ない
 役者さんを配役したりすると
 大変なことになっちゃうのよ。
 アフレコで男性キャストの
 リテイクばっかり増えちゃってさ。
 限られた収録時間なんだから、
 作品全体のためには、
 女性キャストの芝居を高める為に
 時間を使いたいんだよね」

「なるほど、こうして色々伺うと
 やはり男性キャストさんは
 なかなか大変なお仕事なんですね」

「そうそう、
 最近アフレコ見学に行って
 ちょっと聞いた話があるんだ」
「はいはい」
アフレコ用の動画を観てたらさ、
 音響制作会社さんの社名ロゴが
 テロップで薄く入れてあったのよ。
 これは何の意味があるんだろう?
 って思って聞いてみたら、
 アフレコ用の動画をコピーして
 違法に売ったりする人がいるから
 その対策なんだって
「制作会社さんのロゴがあると
 違法販売できなくなるんですか?」
「社名ロゴの入れ方のパターンで
 どのスタッフに渡した動画データ
 なのか分かっちゃうんだってさ。
 もしそんなことをする人がいても
 犯人が誰かすぐバレちゃう……
 ってことらしいよ」
「ははぁ……なるほど」
「作品によっては、
 動画データにスタッフの個人名を
 入れて渡したりするんだって」
なんと言うか……
 ちょっと世知辛いお話ですね
「まったくだよ。
 大昔はアフレコスタジオに来なきゃ
 映像なんか見られなかったし、
 役者さんはみんな当日に
 初見の映像で収録してたんだよ。
 それに比べたら、技術の進歩で
 随分と収録がしやすくなったのに
 ほんの一部の不心得者のせいで
 スタッフさんに余計な手間が
 掛かるんだから本末転倒だわ」
「ほんとですねぇ」

コロナも段々収まってきたから
 以前のようにキャストで集まって
 収録できるのかなと思ったけど
 それもまだまだ先みたいだしね
「近々、マスクの着用が任意になる
 とか伺いましたが、
 それでもまだダメなんですか?」
「キャストさんの事務所とか
 組合とかがやっぱり慎重みたい。
 なるべくキャストがまとまった方が
 お芝居や良くなるし
 収録時間も短くなるんだけどね
「収録時間の短縮は分かりますが、
 お芝居そのものも変わるんですか?」
「ゲームと違って、
 アニメは掛け合いがあるからね。
 やっぱり同じ空間に居て、
 相手のお芝居を受けてやった方が
 絶対に良くなるよ」
「まぁ、エロアニメのHシーンでは
 男女の台詞がどうしても被るから
 本番では別々に録っちゃうことが
 多いんだけどさ、
 テストで掛け合いをするだけで
 最初から全部別録りするのとは
 やっぱり全然違うと思うよ。
 いつかまた、元通りに収録できる
 ようになるといいんだけどね

「最後は少し雑談になりましたが、
 ではでは
 何かリクエスト曲があれば
 承りますよ」

「んじゃ、
『サイボーグ009』のエンディング
『いつの日か』を聞かせてよ」

『いつの日か』
作詞が八手三郎さん
作曲が平尾昌晃さん
歌はこおろぎ'73さんによるもので
1979年~80年に放映された
TVアニメ『サイボーグ009』
エンディングテーマです。


これはさ、映像と音楽が
 物凄く綺麗に融合している
 エンディングなんだよね
「まず、サイボーグ戦士たちが
 戦闘服のまま風に吹かれている
 ってシチュエーションがいい。
 エンディングを聴きながら
 思い思いのポーズで安らぐ彼らを
 見ていると、彼らがそれぞれ故郷を
 思っているように何となーく見えて
 くるのよ」
「9人のポーズは思い思いでも
 戦闘服が共通だから、
 彼らの絆もちゃんと伝わるし
 マフラーがなびいていることで
 風も感じられるわけ。
 動きの少ないエンディングだけど
 何とも味わい深いんだよね」

長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日30日に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

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佐和山進一郎

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