＃51 夏休みの子供たち
エロアニメの神様暑い日が続きますが
皆さん如何お過ごしでしょうか？
10日ほど前から
賀島さんのお嬢さんお二人も
夏休みに入っております。
お嬢さん達が自宅にいる環境では、
お仕事もなかなか大変かと思いますが
……いかがでしょう？
「まあそんなに負担ではないよ。
何だかんだで上の子は高校二年、
下の子は小学三年生だし
何て言うかもう慣れちゃったよね。
そもそも、私が仕事するのは
夜とか夜中がメインだからさ」
「なるほど」
「最初は子供たちにエロアニメの
仕事がバレないようにって、
色々と考えたんだよね。
同じ敷地に建物が二棟ある
中古の物件を買ってさ、
片方を自宅にして、
もう片方の一階には
年取った母親を呼んで同居して、
二階を仕事場にしたんだけど……
今になって思うと、
そんなに気を遣わなくても
良かったのかなって思うよ」
「どういうことでしょう？」
「十代の子供はさ、
親の仕事になんて興味がないのよ。
自分の人生を楽しんで生きるのに
精一杯なんだもん。
娘たちが私のことを気にするのは
お小遣いがほしい時か、
車で送り迎えしてほしい時くらい
なんじゃないかな？」
「それはまた何と言うか……」
「いや別におかしなことじゃないよ
よく考えてみたら、
自分だって若い頃そうだったし」
「小坂俊史さんの四コマコミック
『モノローグジェネレーション』
にこんなエピソードがあってさ」
「これを読んだ時、
あーそうだよなーって
すごく腑に落ちたんだよね」
「これは私見だけどさ、
十代や二十代ってのは
自分のスキルを上げることだけ
考えてればいいと思うんだよね」
「三十代になって、
少しは余裕ができてきたら、
今度は周りのことを
考えなきゃいけなくなるんだよ。
後輩スタッフも入ってくるし、
自分のエゴだけじゃなくてさ、
一緒にやってる周りのスタッフが
仕事がやりやすいようにする配慮
が必要なんだよね。
プライベートに関しても、
結婚とか子供とか弱っていく親の
心配も考えなきゃいけなくなる」
「四十代になったら、
自分が働いてる業界全体のことを
考えるべきだと思うんだ。
クリエイターとしては
キャリアハイに近づいていくから
新しい企画に挑戦したり
業界の問題に取り組んでみたりさ。
上手く行くかどうかはともかく
そういう姿勢を他のスタッフは
見ていると思うんだよね」
「では、五十代はどうなりますか？」
「それはまだ分かんないなー
私もまだなったばっかりだし。
もう少ししたら、
自然と分かってくると思うから
その時にまた話すよ」
「まあ何れにしろ、
自分の娘たちに何かしてほしい
面倒見てほしいと思うのは、
きっと仕事が思うように
できなくなった後じゃないかな？
それはまだもうちょっと
先だと思いたいね」
我々神に比べたら
ヒトの生涯はとても短いものですが
賀島さんやエロアニメ業界を支える
スタッフ諸氏が、少しでも長い時間、
良いお仕事が出来ますように……
私に出来るのは
ただ祈ることぐらいなのです。
「今日のリクエストなんだけど
今放送されてる
『呪術廻戦』の
オープニングとエンディング、
『青のすみか』と『燈』
を聞かせてよ」
『呪術廻戦』は
『週刊少年ジャンプ』に連載中の
芥見下々さんのコミックを原作とした
アニメーション作品です。
2020年10月より
ＴＶシリーズの第一期が放送され
2021年12月には
『劇場版 呪術廻戦０』が公開。
2023年７月より
ＴＶシリーズの第二期が放送されて
おります。
「このオープニングとエンディングは
第二期の前半『懐玉・玉折』の
テーマソングなんだけどさ、
物語の展開やキャラの心情を
暗示するような歌詞なんだよね。
原作をすごく丁寧に読み込んで
作った曲なんだなって分かるんだ。
オンエアを毎週観てるけど
いつも早送りせずに聞いちゃうね」
「ほうほう」
「最近だと
『【推しの子】』の『アイドル』や
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』
の『祝福』とか
『BEASTARS』の『怪物』なんかを
手掛けてるYOASOBIさんの曲も
個人的に印象に残ってるんだけど、
楽曲のアーティストさんが
作品を深くリスペクトして
曲を作っているのが伝わると
グッと気持ちが入る気がするね」
「私が子供の頃とか若い頃は
単なるタイアップって感じで、
作品の内容に全然マッチしてない
オープニングやエンディングって
結構あったからさ。
その時代と比較すると
アニメーション業界そのものが
世間からリスペクトされるように
なってきてるんじゃないかなって
そんな感じがするんだよね」
「……ま、エロアニメ業界が
リスペクトされるってことは
無いと思うんだけど、
アニメション業界の片隅で
働く者としては、こういう傾向は
素直に嬉しいね」
ちなみにこちらの二曲はどちらも
歌い手のシンガーソングライターさん
による楽曲でして、
『青のすみか』は
キタニタツヤさんの作詞・作曲、
『燈』は
崎山蒼志さんの作詞・作曲です。
長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日・30日前後に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。
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