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#55 F先生のエロス

エロアニメの神様
10 /02 2023
「私が人生で最初に買ってもらった
 マンガの単行本って
 藤子不二雄先生の
 『ドラえもん』なの」
「私が小学校低学年の頃、
 TVアニメ第2作が始まって
 『ドラえもん』や藤子先生の作品が
 ブームになったんだよ」
「その後もTVアニメ化された
 『パーマン』『オバケのQ太郎』
 『エスパー魔美』『21エモン』
 『チンプイ』なんかが好きで
 単行本も結構読んでたんだよね」
「ほうほう」

「ところがさ……藤子先生の作品、
 特に藤子・F・不二雄先生の
 作品を読んでいると
 時々ドキッとするような
 エロい描写があってさ。
 それがすごく印象に残ってるんだ

「F先生のエロい描写と言いますと
 『ドラえもん』でしずかちゃんの
 入浴シーンが多いとか
 『エスパー魔美』で魔美ちゃんが
 ヌードモデルをしているとか
 そういう描写のことですか?」
「確かにその二作が有名だけど
 しずかちゃんの入浴シーンは
 ある意味コメディっぽく使われてる
 ケースが多い気がするし、
 魔美のヌードモデルについても
 画家であるパパとじっくり語り合う
 シーンだったりするんだよね」
ヌードが出ているってことで
 ちょっとした読者サービスには
 なっていると思うんだけどさ
 それ以上の【エロ】を感じる描写
 じゃないと思うんだよね

F先生の画風っていうのは
 あくまで児〇漫画向けじゃない?
 おっぱいやお尻やくびれを
 強調してるわけじゃないし、
 単純に裸を描いただけじゃ
 それほどエロくは感じないと
 思うんだよね」
「つまり、
 それでもエロく感じるってことは
 設定やシチュエーション、
 物語の展開がエロいってことだと
 思うわけよ
「では、賀島さんが【エロ】を感じた
 作品はどんなものなんですか?」

「1976年に執筆されたSF短編
 『ウルトラ・スーパー・
  デラックスマン』
 はエロくて記憶に残ってるなぁ」
「平凡なサラリーマンが超人的な力
 を持っちゃうお話なんだけど、
 最初は正義の味方だった彼が
 次第に独善的になって暴走するの。
 警察や自衛隊も手が負えないし
 周囲や社会から避けられちゃって
 廃墟の無人街の豪邸に
 たった独りで住んでるのよ」
「ほうほう」

「そんな彼がTVの歌番組に出てた
 女性歌手を気に入っちゃって
 自宅に呼び出すんだけど
 もうこんなことが日常茶飯事に
 なってるんだろうね。
 その女性歌手はすぐにやってきて
 抵抗もせずに身体を開くんだよ。
 『私に御用なら
  すぐ済ませて下さいな
  帰りたいんです』ってさ」
「泣いたり拒んだりしないで
 全てを諦めたような彼女の態度が
 何とも生々しくてさ。
 すっごくエロく感じたんだよね」
USD.jpg
『ウルトラ・スーパー・
 デラックスマン』
1990年にOVA化されております。
『藤子・F・不二雄の
 SF短編シアター』第3巻に
収録されているそうです。

「あと紹介したいのは
 1980年に執筆されたSF短編
 『いけにえ』かな」
「これは地球にやってきた宇宙人が
 地球を侵略しない代わりに
 ある浪人生を生贄に差し出せって
 要求してくるって話なんだ」
「宇宙人の力は絶対的だから
 政府関係者はその浪人生を何とか
 生贄にしようと説得するんだけど
 浪人生は当然納得できない」
「豪華な食事にも栄誉賞にも
 牧師の説得にも応じずに
 宇宙人と刺し違えるって
 荒れ狂っちゃうんだけど、
 そこに彼が付き合ってた女の子
 が連れてこられるのよ」

彼は最後に彼女と会えたことで
 自分の運命を受け入れて、
 二人は初めてのエッチをする……
 って展開なんだけどさ、
 泣きながら抱き合ったあと、
 全てを受け入れて自分から
 服を脱ぐ彼女が健気でねぇ……
 二人に凄く感情移入できるのよ」
いけにえ
ちなみにこのお話、
浪人生は最終的に生贄にならずに
済んじゃいます。
どんでん返しのラストは是非作品を
ご覧になって確かめて下さい。

「最後に紹介したいのは
 1981年に執筆された
 『ドラえもん』のエピソードで
 『なぜか劇がメチャクチャに』
 ってお話なんだけどさ。
 これがまたエロくて可哀そうで
 胸に残っちゃうんだよねぇ……」
『ドラえもん』に【エロ】を感じる
 エピソードがあったんですか?

「これはねぇ、のび太たちが学校で
 演劇を発表することになって、
 ドラえもんに助けてもらう話でさ。
 『オート・アクションプロンプター』
 と『万能舞台装置』って秘密道具で
 舞台に上がればひとりでに動いて
 セリフも喋れるようになるのよ」
「それはまた……すごい道具ですね」

「で、肝心の演目を何にするか
 皆で注文を出してプロンプターに
 選ばせるんだけど、
 最初の候補が『人魚姫』なのよ」
「ほうほう」
「もちろん、
 しずかちゃんが人魚姫なんだけど
 最初から貝殻ビキニみたいな
 恥ずかしい衣装だし、
 途中で人間になるシーンで
 全裸になっちゃうことが分かって
 しずかちゃんが怒っちゃう」

「次の候補は『ちびくろさんぼ』
 やっぱりしずかが主演なんだけど
 これも虎に食べられそうになって
 身に着けてたのを次々と取られて
 裸にされちゃうお話だから、
 途中で取りやめになっちゃう」

「その次の候補は『裸の王様』
 これもやっぱり王様役のしずかが
 裸になっちゃうってことでNG」

「最後に候補に挙がったのが
 グリム童話の『星の銀貨』でさ。
 誰もオチを知らなかったから、
 とにかく一度最後までやってみて
 確かめようって話になって、
 途中で芝居を止められないように
 オプションの【強制ボタン】
 ってのを使っちゃうのよ」
「ところがこのお話がまた
 優しい親切な女の子が
 道々で出会う可哀そうな人たちに
 食べ物や服を恵んでいく話でさ
 途中で皆もオチを察するんだけど
 【強制ボタン】のせいでお芝居を
 途中で止められず、結局しずかが
 全裸にされちゃうの
「それはまた何と言うか……」
ドラえもん1

ドラえもん2「このエピソードのオチとしては、
 お話選びにあたって
 【のび太でも分かるような話】って
 注文を出したせいで、
 【のび太が見たがるようなお話】
 秘密道具が選んじゃった……
 ってことなんだけどさ。
 結局しずかちゃんは全裸にされて
 泣かされちゃってるわけで
 何とも救いがない話なんだよね」

「このお話を改めて考えてみると、
 裸にされそうになったしずかが
 怒って劇を途中で止めちゃうって
 シーンを繰り返して、
 最後のオチに向かう構成なのよ
「もし、コメディとして考えるなら
 最後はしずかちゃんが怒って、
 のび太たち男子が恥ずかしい目に
 遭うような演劇をやらされるとか、
 【強制ボタン】があるにも関わらず
 無理やり演劇を止めようとして
 ムチャクチャになるとか、
 色々やり方があったと思うんだよ。
 でもそこで
 凄くエロいオチが来ちゃったから
 子供の頃に読んでビックリしたね
「とにかく意外性があったから
 生半可なエロメディアの作品より
 今でも記憶に残ってるよ」

『なぜか劇がメチャクチャに』
てんとう虫コミックスの第28巻に
収録されているエピソードです。
ちなみに初版では、
『ちびくろさんぼ』を扱ったシーン
が描かれているのですが、
現在出版されているコミックスでは
カットされているそうです。

「さてさて
 今日のリクエストなんだけど
 『ドラえもん』繋がりってことで
 『のび太の宇宙開拓史』の主題歌
 『心をゆらして』を聞かせてよ」

『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』
は1981年3月に公開された映画で
原作・脚本は藤子不二雄先生
監督は西牧秀夫さん
制作はシンエイ動画さんです。

主題歌の『心をゆらして』
作詞が武田鉄矢さん
作曲が菊池俊輔さん
歌が岩淵まことさんです。

「この映画は、超空間の事故で
 のび太の部屋と宇宙船が
 繋がっちゃて始まる物語なのよ。
 ラストで超空間のゲートが閉じて
 仲良くなった宇宙の友達と別れる
 シーンでこの曲が流れるの」
「その星は、
 ドラえもんでも知らないくらい
 地球から遠く遠く離れた星でさ
 この別れが永遠の別れになるって
 ことが全員分かってるんだよ。
 そんな中でこの曲と一緒に
 思い出のシーンが流れるから
 思わずジーンと来るんだよねぇ


「劇場版の『ドラえもん』
 1980年から1996年までの
 17作のうち実に16作品で
 武田鉄矢さんが主題歌の作詞を
 されてるのよ。
 映画主題歌のアルバムが
 幾つも発売されてるくらいで
 やっぱり良い曲が多いんだよね」

長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日・30日前後に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

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佐和山進一郎

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