2ntブログ

#65 エロアニメ一本1850万円

エロアニメの神様
01 /20 2024
新年最初の更新となります。
本年も宜しくお願い申し上げます。

……などと言いつつ
早速更新が滞ってしまいました。
申し訳ありません。

「在宅の個人事業をやってとると
 よくある話だと思うんだけど、
 『休み明けに貰えればいいから』
 とか言われることあるんだよね。
 何か気を遣ってる感じで
 言われちゃうんだけど、
 実はこれって、
 『休みの間に仕事しといてね?』
 って言うのと同じなのよね」

「まあまあ、新年早々
 愚痴っぽくなってもアレですので
 本年のスタートにあたって
 何か抱負をお聞かせくださいな
「そうねぇ……
 先ずは前回話した同人ゲーム
 少し頑張ってみたいね。
 『全裸のプール掃除』
 ようやっとキャストが固まって
 来月半ばくらいには
 音声も完成する予定なんだ」

全裸のプール掃除 告知用

「何と言っても処女作なんで
 まだまだ手探りな所も多いけど
 何とか定期的に作品を発表できる
 ようにできたらと思うよ」

エロアニメシナリオの仕事
 まぁ今までと変わらないかな。
 請け負った仕事を一作一作
 頑張って書くだけだよね。
 いつまで仕事が続くのか
 はっきり分からないけどさ」
「ただ……難しいとは思うけど
 エロアニメの制作費が少しでも
 昔みたいにに戻ってくれたら
 嬉しいんだけどねぇ……

「昔に戻ってくれたら?」
20年以上前、
 私がエロアニメ業界に入った頃
 から思い返すと、制作費はずっと
 少しずつ下がり続けてるのよ。
 これは特定のメーカーさんだけの
 お話じゃなくて、
 業界全体の問題なんだけどさ」
「あらららら……」

「今だから言っちゃうけど
 当時、某メーカーさんでは
 30分のエロアニメ1本で
 1850万円の予算が下りてたんだよ。
 音響費も編集費も版権も全部別で
 純粋に本編映像だけの予算でね」
「しかもこれはデフォルトの数字で
 原作がビッグネームだったり
 ヒットした作品の続編だったら
 さらに追加予算が出てたりしたの」
それが今となっては
 当時予算の半分も行かない作品が
 結構あったりするからねぇ……
 ジャケット版権なんかは
 予算込々になっちゃってるし」
「と言うことは、
 賀島さんの脚本料も……」
「私が制作やってた時と比べると
 半額になっちゃってるねぇ」

「まぁでもそれは
 我々の責任でもあるんだよね。
 それだけの利益を生みだす
 作品を作れなかったんだからさ。
 売上が下がっているから
 予算も下がっちゃったんだよね

「昔、メーカーで制作をやっていた頃
 販売本数が2000本そこそこの
 エロアニメのシリーズがあってさ。
 偉い人に怒られたんだよね。
 『何だこの数字は!』って」
「ところがつい最近、
 メーカーさんと原作元さんの
 打ち合わせに同席してたら
 販売本数2000本っていうのは
 今では自慢できる数字らしくてさ。
 何だかちょっと空しいような
 複雑な気持ちになったよ

あの頃はエロアニメも
 OVAと同じ扱いだったんだよね。
 無料のTV放送向けじゃなくて
 ソフト販売の為の作品なんだから
 TVシリーズより高い予算で
 高いクオリティの作品を作る……
 っていう考え方だったんだよ」
「制作費が高くて、
 ギャラも高かったからこそ、
 本名が出せないアダルトものでも
 参加してくれるスタッフがたくさん
 居たんだよね」

それが今となっては、
 うっかりするとTVシリーズより
 予算が安くなってるからね。
 人には言いづらいアダルトの仕事で
 ギャラまで安いとなったら
 やる人はあんまりいないよ
「だからエロアニメ業界には
 なかなか若いスタッフさんが
 入ってくれなくてさ。
 アラフィフの私なんかでも
 まだ若手の方だったりするのよ」

「しかし……
 エロアニメ業界全体で販売本数が
 下がってしまったということは
 作品の質だけの問題ではないと
 思いますけれど
「まぁ確かに、
 ソフトの売行が悪いって言うのは
 エロアニメだけじゃなくて、
 一般アニメや映画、ドラマ、音楽
 ソフト業界全体の問題だけどさ」
一般アニメだったら
 ソフトの売上だけじゃなくて、
 グッズ展開やイベントの実施とか
 出資してくれる関連会社を募って
 制作委員会方式にするとか
 色々とやり方はあるんだけど、
 エロアニメはソフトの売上と
 配信の収入くらいしか無いからね
「まぁその辺を踏まえて
 新しい利益の出し方を考えていく
 必要もあるんだろうね」

「予算が下がってる中でも
 カットやシーンの描き方を変えたり
 制作システムを変えたりしながら
 どうにかこうにかやりくりして
 制作を続けてるんだけどさ。
 やっぱり十分に予算を使って
 思いきり作品を作ってみたいって
 欲求はどっかにあるよね」
「脚本料なんかは今のままだって
 別に全然いいからさ。
 キャスト数とかシーン数、カット数
 動画枚数を気にしないで作れたら
 気持ちいいだろうなって思うんだ」
別にかつてないほどの高額予算が
 ほしいってわけじゃなくてさ。
 私がエロアニメ業界に入った頃、
 あの頃の予算でもう一回エロアニメ
 が作れたら嬉しいね
「いつまでこの仕事を続けられるか
 分からないけど、辞める時までに
 もう一度そういう機会を作りたい
 なーって思うよ。
 ……それが新年の抱負かな」

何回か伺っていたお話ですが
エロアニメ業界を巡る環境は必ずしも
明るいものではないようです。
ただそんな中でも
今もエロアニメを作り続けている
スタッフの皆さんは
決して悲観的にならず
現状を諦めずに工夫を続けています。
私はエロアニメの神様として
そんな皆さんを心から誇りに思います。

「さてさて、
 それじゃ今日のリクエストだけど
 『マッシュル』のオープニング
 『Bling-Bang-Bang-Born』
 を紹介したいな」

『マッシュル-MASHLE-』
甲本一さんのコミック作品で
2020年から2023年まで
『週刊少年ジャンプ』に掲載されて
おりました。

TVアニメ化もされておりまして
2023年4月から第1期が
そして2024年1月から第2期が
放映されております。

『Bling-Bang-Bang-Born』
第2期のオープニングテーマで
作詞はR-指定さん
作曲はDJ松永さん
歌はCreepy Nutsさんです。


「TVアニメの第1話を
 毎クール全部チェックしてて
 面白そうな作品を
 視聴継続してるんだけどさ。
 今期のオープニングでは
 この曲が一番面白かったね
「オープニングアニメって
 物語があるわけでもないし
 決まりや法則があるわけでもない
 すっごく自由にやれるんだよ。
 でもそれだけに
 映像制作に対する地力というか
 日頃どの位センスを磨いているか
 っていうのが問われるんだよね」
「このオープニングは
 Creepy Nutsさんの曲も含めて
 本当にセンスがいい
 お洒落なオープニングだと思うよ」

長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日・30日前後に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

コメント

非公開コメント

佐和山進一郎

エロアニメ・エロゲームのシナリオ
エロ小説のお仕事、随時募集中!
メールフォームまたはツイッターの
DMにてお問合せ下さい