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#45 父と娘の風景

エロアニメの神様
05 /31 2023
今までに何度か
お話したことがありましたが
賀島さんには高校二年生と
小学三年生の娘さんがおられます。

「彼女たちもアニメが結構好きでさ。
 気に入った作品があると
 ブルーレイや原作のコミックを
 買ってあげたりしてるんだけど
 最近のTVアニメは
 原作にすごく忠実なんだなって
 改めて実感してるんだ

賀島さんの子供時代から青年時代、
昭和の頃から考えると
随分と印象が違うようです。

「いや別に
 原作に忠実じゃないと悪いとか
 そういう話じゃないんだよ?
 『デビルマン』(1972年)とか
 『ゲッターロボ』(1974年)とか
 原作コミックとTVアニメで
 内容もテイストも全然違うけど
 どっちもすっごく面白いしね」

「ただ昔はTVアニメっていうと
 色んなスポンサーや関連企業が
 関わる一大事業って感じでさ。
 作品の内容よりも
 そのプロジェクトの事情が
 重視されたりしたんだよね

「例えば、1981年のTVアニメ
 『六神合体ゴッドマーズ』
 横山光輝先生のコミック
 『マーズ』が原案なんだけど
 原作とは六神体のデザインは
 全然違うし、合体もしないし
 そもそも原作の六神体は
 マーズと敵対する存在だしね」
「あらあらあら」
「でもTVアニメはヒットして
 劇場作品やOVAも制作されたし
 六神合体の超合金も売れたし
 プロジェクトとしては
 大成功だったと思うよ」

ちなみに『マーズ』はその後
原作に比較的忠実な内容で
OVA化、TVアニメ化も
されているとのことです。

「あと、1984年に放映された
 『魔法の妖精ペルシャ』
 スタジオぴえろさんの
 変身魔法少女シリーズとして
 制作されたTVアニメだけど 
 原案になった
 青沼貴子先生のコミック
 『ペルシャがすき!』には
 魔法の要素は一切無いんだよね」

「1994年に放映されたTVアニメ
 『赤ずきんチャチャ』でも
 彩花みん先生の
 原作コミックには全く無い
 変身魔法少女のアクション要素が
 追加されてたね。
 1992年から放映されていた
 『美少女戦士セーラームーン』
 影響もあったんじゃないかな?」

「こうした作品と比較して考えると、
 昨今のTVアニメは
 原作に忠実に制作されることが
 多くなってきた気がしてるんだ。
 もちろん、作品によって違いは
 あるんだろうけど」

それは一体どうしてなんでしょう?

「これはあくまで私見なんだけどさ、
 TVアニメの制作本数も増えて
 ゲームやSNSや配信動画といった
 競合する娯楽のメディアも
 どんどん増えてきてるじゃない?
 その辺が大きいと思ってるんだ」
「ほうほう」
「ぶっちゃけた話、
 一作のTVアニメで儲かる金額が
 減ってきちゃってるわけで
 そうなると、少なくともまず
 原作ファンのお客さんたちからは
 しっかり支持されたいんじゃない
 かなと思うんだ
「なるほど、一理ありますね」

「SNSや動画配信が盛んな昨今、
 キャストやキャラデザインや
 キービジュアルを公開した時点で
 『イメージが違う』とか言われて
 放送前から悪評が高まっちゃう
 ケースだってあるからさ」
「逆に考えると、
 原作ファンのお客さんに支持される
 作品づくりをしていけぱ、
 原作未見の人たちに高評価を
 拡散してくれるわけじゃない?
 やっぱり原作ファンの支持は
 大事にしなきゃね」

エロアニメの原作については
また事情が違うのでしょうか?

ゲーム原作の場合
 膨大な量のテキストを
 15分全2話とか30分全2話に
 まとめなくちゃいけないから
 原作を忠実に再現するのは
 そもそも無理なんだよね」
「以前にも話したことあるけど
 まずは原作をじっくり解析して
 映像化してエロくなりそうな
 エッチシーンをピックアップして
 それを生かせるような物語の流れを
 作ってプロットを作る……
 って作業の流れなんだよ」
「個々のエッチシーンについて
 原作そのままで映像化することは
 なかなか難しいから、
 シチュエーションを生かしつつ
 特にエロいセリフやプレイを
 組み込んでシーンを作ってるよ」
「なるほど」

コミック原作の場合、
 同人誌の一冊分、
 単行本で言うと一話分が
 エロアニメにすると
 大体15分くらいになるんだよ。
 それを基本としながら
 アレンジしていく感じかな」
なるべくやろうと意識してるのは
 エッチシーンの中で何か一つでも
 プレイを足すことだね
「プレイを足す?」
「原作のエッチシーンと
 何もかも全部が一緒だと
 原作を知っているお客さんは
 ちょっと意外性が無くて
 詰まらないじゃない?
 何度か言っている話だけど
 エロメディアで大切なのは
 【刺激】と【昂ぶり】だと
 思ってるからさ」

「あとこれは、エロアニメでも
 TVアニメでも同じなんだけどさ。
 本来、コミックやゲームと
 アニメじゃ見せ方が違うんだから
 それぞれのメディアに合わせた
 表現のアレンジってのは
 在って然るべきだと思うんだよ。
 原作をアニメにした場合、
 より面白くなる、よりエロくなる
 表現を考えていくことは
 制作者の責任じゃないかなー」
【原作を忠実にアニメ化する】
 って大義名分を掲げて
 まるで写経みたいに原作を丸写し
 にしたシナリオを書く人とか
 コンテに原作コミックのコピーを
 貼り付けちゃう人もいるんだよね。
 原作通りにやれば、原作元さんや
 メーカーさん、各所のチェックが
 通りやすくなるからってさ。
 そういう制作スタッフには
 なりたくないなーって思うよ」

娘さんとのエピソードから
思いのほかお話が膨らみましたが、
ではでは、
最後にまたリクエストをお願いします。

「今日はアニソンとかじゃなくて
 今年の3月に相模鉄道さんが
 東急さんとの直通線開業を記念して
 制作したムービー
 『父と娘の風景』
 紹介したいな」

「これは相鉄線沿線に住んでいる
 父親と娘の12年間に渡る
 通勤・通学風景を描いたムービー
 なんだよね。
 父親役がオダギリジョーさんで
 娘役が山﨑天さん」
「特に面白いのが
 12年を描くムービーが1カットで
 撮影されてることなんだよね。
 メイキングも公開されてるから
 そっちも併せて観てほしいな」



長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日30日に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

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佐和山進一郎

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