#22 エロアニメに向いた素材を考える
エロアニメの神様先日、電話での打ち合わせで
賀島さんがこんなことを仰いました。
『でもそれは
エロアニメ向きじゃないよね』
エロアニメに向く内容、
あるいは向かない内容とは
どんなものなのでしょう?
「あー、はいはい、あの時はね、
とあるエロゲーのどのシーンを
エロアニメにするかって
打ち合わせだったんだけどさ、
あるシーンがローションとオイル
でヌルヌルって内容だったんで、
そのシーンはやめとこうって
話をしてたのよ」
「ローションとオイルは
エロアニメに向かないのですか?」
「絵で描いて動かすのが大変な割に
あんまり効果的じゃないんだよね。
エロゲーとかエロマンガだと
止め絵でキッチリ描き込んで
魅せることもできるんだけどさ。
実写でやった方がよっぽど簡単で
エロく見えるんだよねぇ……」
「ははぁ……なるほど」
「もしどうしてもそういうシーンを
やるんなら、台詞で『ヌルヌル』
とか『ベトベト』を強調したり、
効果音を強めにしたりする工夫が
必要かな」
「エロアニメならではの向き不向き
は他にもあるのでしょうか?」
「そうねぇ……
やっぱりファンタジーなんかは
エロアニメに向いてるのかな」
「女の子が触手やモンスターに
犯されてしまうお話ですね?」
「エロアニメの黎明期には
ファンタジー物の割合が多かった
気がするね。
やっぱ当時は、AVできるものを
エロアニメでやっても意味が無い
っていう風潮があったのかも」
「最近だと、女の子がモンスター化
して責めてくる【モンスター娘】
なんてのも出てきてるよね」
「ただ……やっぱファンタジー物も
現代劇と比べると、作画のコスト
が高くなっちゃうんだわ」
「あらららら……」
「RPGに出てくるキャラみたいな
戦闘服とか甲冑とかはどうしても
線が多くて動かしづらいし、
触手だってなかなか動かすのは
面倒なんだよね~」
「昔は触手っていうと、
女の子の身体に巻き付いて、
犯しながら全身を愛撫するって
いう印象があったんだけど、
今はもう、挿入される触手以外は
単なる拘束具って感じで
あんまり動かせないみたい」
「あと、ファンタジー物で
ケモ耳少女は気をつけなきゃ
いけないんだよね」
「ケモ耳がですか?」
「AVだと単なるコスプレってこと
で問題ないんだけど、
ファンタジー世界のアニメだと
本物の半獣人なわけでしょ?
そうなるとこれが【獣姦】に
あたるってことで、審査団体から
NGが出るケースがあるのよ」
「あらららら……」
「もちろん、責める側も同じことで
狼男が女の子を責める場合、
あんまり狼っぽいデザインだと
やっぱり獣姦って思われちゃう」
「まあ、半獣人とモンスターの境目
って微妙だったりするから、
その辺はキャラデザイン次第って
ところだけどねぇ……」
なかなか興味深いお話です。
「エロだけに限った話じゃないけど
極端にディフォルメされた表現も
アニメの得意分野だよね」
「ものすごい巨乳とか、巨根とか、
信じられない量の精液とか
噴水みたいに噴きだす母乳や
イッた時の女の子の潮とかさ」
「妊娠中の女の子とのエッチ、
いわゆる【腹ボテ】なんかも
アニメだと自由自在だよね」
「なるほど確かに」
「他にはそうだな……
ロリものもエロアニメの方が
合ってる気がするな」
「ロリータ物ですか?」
「エロアニメでもAVでも
18歳未満のキャラを出せないのは
同じなんだけどさ、
年齢は18歳以上だけど、
幼く見えるキャラを出す場合、
アニメの方が融通が利くんだよね。
デザイン次第で自由自在だから」
「なるほど」
「魔物とかエルフとかメカ少女とか
人形とか、人間じゃないキャラ
にしちゃう手もあるしね」
「あとこれは私見だけど、
老人が女の子を責めるシーンも
アニメの方がしっくりくるかな」
「どういうことでしょう?」
「例えば、訪問介護されてる老人が
介護士の女性にムラムラしちゃう
……みたいなシーンの場合、
AVで年配の男優さんが出ると、
何て言うか、頑張れば頑張るほど
痛々しく見えちゃうんだよね」
「ははぁ……」
「その点、エロアニメだと老人でも
何でもお構いなしだからね。
むしろ、クセのある責め手として
老人キャラを際立たせることも
できるからさ」
「向き不向きの話とはちょっと
ズレちゃうけどもう一つ。
シナリオライターとしては、
エロアニメの方がお芝居ができる
キャストさんが居てくれるから
すごく助かってるよね~」
「その辺、AVとは違いますか?」
「AV女優さんは、
エッチをエロく見せるプロだと
思うんだよね。
エロアニメの声優さんの場合、
お芝居のプロがエッチシーンを
演じてるわけだからさ。
特にエッチシーン以外の
日常芝居とかアクションとか
モノローグとか、そういう部分は
やっぱり違いがあると思うんだ」
賀島さんは
二次元エロメディアだけでなく
AVや三次元エロメディアも
ご覧になっているかと思いますが、
AVに向く内容というと
どんなものがありますでしょうか?
「そうねぇ……
やっぱり一つのエッチシーンに
じっくり時間を掛けられるのが
AVの羨ましいところかな。
痴漢ものとかで、
最初は嫌がっているんだけど、
30分以上じっくり愛撫されて
段々メロメロになっちゃう……
みたいなエッチシーンは、
時間を掛けた分、説得力があると
思うんだ」
「なるほど」
「あと、【時間停止もの】なんかは
実に面白いと思うね」
「どんな内容なんですか?」
「ちょっとファンタジー要素がある
ジャンルなんだけど、
責め手の男が、女の子の時間を
止めることができるわけ。
で、マネキンみたいになった
女の子の身体を好き放題しちゃう
……って内容なんだけどさ
これの面白いところは、
時間を止めることじゃないのよ」
「むむむむ?……
どういうことでしょう?」
「実際に時間を止めることなんて
人間はもちろん、神様だって
できないじゃない?
だから女優さんとしては、あくま
で時間が止まっているつもりで、
何をされても黙って耐えなくちゃ
いけないわけ。
そういう姿を見て楽しむっていう
趣向なんだよ」
「ははぁ……なるほど」
「これはフィクションを
上手く利用した企画の勝利だよね。
実に面白いと思ったよ」
さてさて、連休中ということで
取り留めなくお話を伺ってきましたが
最後にまた何かリクエスト曲を
伺いましょうか?
「んじゃ今日は、
『恐竜大戦争アイゼンボーグ』の
オープニング曲で
『戦え! アイゼンボーグ』を
聞かせてよ」
『恐竜大戦争アイゼンボーグ』は
円谷プロダクションさんが
1977年に制作した作品です。
キャラクターはアニメで
恐竜との戦闘シーンは特撮で
描かれているのが大きな特徴です。
「この作品はさ、
『円谷恐竜三部作』って呼ばれる
シリーズの第二作なんだけどね。
次回作の
『恐竜戦隊コセイドン』は
全編特撮で制作されてるんだよね」
「アニメと特撮の融合は
失敗だったというわけですか?」
「その辺はよく分からないけどさ、
まだ幼稚園児だった当時、
個人的にはすごくインパクトがある
作品だったんだよね。
成功とか失敗とか
そういうんじゃなくて、
何か新しいものを求めていくって
いう姿勢は見習いたいと思うな」
ちなみにこちらの作品は、
中東で大変な人気があったそうで
放送から40年後の2017年に
新規撮影された短編ドラマが
ドキュメンタリー番組
『帰ってきたアイゼンボーグ』の
一部として放送されたそうです。
本日も長々とお聞きいただいて
ありがとうございました。
あまり頻繁に更新できず恐縮ですが
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。
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