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#35 俺は俺だ

エロアニメの神様
02 /22 2023
更新が二日遅れてしまいました。
ごめんなさい。

「前回、
 って話をしたんだけど、
 その続きをもうちょっと。
 個性がどう滲み出てくるのか
 そのプロセスを考えてみたいんだ」
「ほうほう」

例えば、
 すごく好きなキャラがいたとして、
 その絵を描きたいってなった場合、
 最初はトレースとか模写から
 始まると思うんだよ」
「好きなキャラだから、
 なるべく似せたいし上手く描きたい
 と思って何回も描いていくと
 自然と技術が向上してくる」
「で、そのうちに
 原作の模写じゃなくて
 自分なりの顔の向きとかポーズを
 付けたくなってくる。
 原作を参考にしつつ、あれこれと
 試行錯誤をしてみたりする」
「すると今度は、
 そのキャラの服を変えたくなったり
 髪型を変えたくなってくる。
 また試行錯誤して描いてみる」
……こんなプロセスを経て
 出来上がってきた絵っていうのは
 もう単なる模写じゃないと思う。
 この絵描きさんはもう、
 オリジナルキャラも
 描けるんじゃないかな?
 自分の【個性】があると思うよ
「前回のお話にも繋がりますが
 大切なのは描き続けること、
 継続することなんですよね

『かくかくしかじか』を読むと
 この辺の感覚が分かるかもね」
東村アキコさんの
 自伝エッセイマンガで
 高校時代から通ってた絵画教室と
 講師の先生のお話なんだけどさ、
 とにかくこの先生がスパルタで
 同じものを何回も何回も強制的に
 描かせるんだよね。
 その意味が物語全体を通じて
 分かるようになっていて、
 ラストが凄くグッとくるんだわ」

「連載中の2013年8月、
 幻冬舎の文芸誌『パピルス』
 この作品について、東村さんの
 インタビューが載ってるんだけど
 『描くことがすべてですね。
  どれだけ手を動かしたのかが
  すべてです』
 って言葉が何とも印象的でさ」

『かくかくしかじか』
2012年1月~2015年3月まで
集英社の月刊誌『Cocohana』
掲載された作品で、単行本全五巻が
発売されております。

「ちょっとまた話が逸れるけど、
 個性ってことで考えるなら、
 自分の本当に好きな作品を
 何度も繰り返し繰り返し観た方が
 良いのかもしんないね
「ほほう」
「アニメのブルーレイやDVDを
 棚にずら~っと並べてたって、
 中身を忘れちゃってたら
 身に付いてないってことでしょ?
 数だけ沢山観ることより、
 本当に好きな作品を、暗記する位
 何度も何度も観た方が
 自分の中に何か残ると思うんだ」

「私が子供の頃、
 まだビデオデッキすら無かったし
 テレビも居間にしかなかったのよ。
 だから、繰り返し楽しめるのは
 テレビ放送を録音した
 カセットテープくらいでさ」
「当時はまだ、
 シナリオライターになりたいとか
 全然考えてなかったんだけど、
 不思議なもんで、
 あの頃に聞いた作品のセリフとか
 今でもまだ覚えてるんだよね
「ほうほう」
「中高生になると、
 テープを聞いて覚えたセリフを
 退屈な授業中、
 教科書の端に書いたりして、
 専門学生になって、
 ワープロを使いだすようになると、
 今度は覚えたセリフを
 ワープロで打ちだしたりしてた。
 キーボードの練習でもあるけど、
 自分の好きなセリフが
 キレイな文字で読めるのが
 単純にすごく嬉しかったんだよね」
「……実はこれ、
 今でもまだ続いてる習慣でさ。
 アニメやマンガで
 気に入ったセリフがあると
 Wordのメモファイルとして
 書き留めたりしてるんだよね
 エロに直接関係なくてもさ」

なるほど、
こうした何気ない積み重ねも
賀島さんの個性の形成に
役立っていたわけですね。

「色々話してきたけど、
 やっぱり際立った個性に対する
 憧れは誰でもあるんだろうね。
 日本人は特にそうかな
「どういうことでしょう?」

秋月りすさんの『OL進化論』
こんなエピソードがあるんだよ。

OL進化論

『OL進化論』
1989年から週刊『モーニング』
連載されている四コマ漫画作品で、
引用したエピソードは
1998年に発行された
第13巻に掲載されています。

「これってすごく感覚的に分かる
 エピソードなんだよね。
 自分らしいこと、
 自分にしかできないことをしたい
 でもその反面、
 みんなと同じことができないと
 恥ずかしい……みたいな」
日本人は特に、
 やたらと空気を読みすぎたり、
 【普通】って言葉が
 良い意味で使われることが
 多かったりするからね
「そういうものですか」
でもだからこそ、
 個性やアイデンティティの確立が
 描かれたエピソードっていうのは
 胸を打つんだと思うよ

「ちょっと前の作品だけど
 『天元突破グレンラガン』
 第11話『シモン、手をどけて』
 なんて象徴的じゃないかな」


『天元突破グレンラガン』
2007年に放映されたTVアニメで、
制作はGAINAXさん
監督は今石洋之さん
シリーズ構成は中島かずきさんです。

個性ってのは、
 誰もが確立したいものなんだけど
 最初から出そうとしても
 全然上手く行かなくて、
 積み重ねて自然に滲み出るもので
 でもだからこそ、すごく尊い……
 まとめて考えてみると
 そんな感じなのかも知れないね」

長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
なるべく毎月10日・20日・30日に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

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佐和山進一郎

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