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#47 漸近線

エロアニメの神様
06 /20 2023
以前伺ったことがありましたが
賀島さんはエロアニメに関わる以前、
とある脚本家事務所に所属して
TVアニメやドラマCD、
ゲームシナリオを手掛けていた
時期があったそうです。

「私は映像系の専門学校の
 出身なんだけどさ。
 ちょうどバブル崩壊の時期でね、
 就職が中々決まらなかったから
 二年間、学校で教員補助の
 契約社員をやらせてもらったの
「ほうほう」
「で、その当時『月刊ドラマ』
 師匠が講師を務めてらっしゃる
 シナリオ教室の告知があってね。
 その教室を受講したのが
 ご縁の始まりだったの
「なるほど、そのシナリオ教室から
 お師匠の脚本家事務所に
 入られたんですね?」
「いやいや、とんでもない。
 当時はシナリオなんてほとんど
 書いたことが無い下手っぴでね。
 師匠のマネージャーって扱いで
 事務所の経理や雑用をしたり
 師匠のお仕事を手伝ったりしつつ
 仲間と勉強会を続けてさ、
 シナリオライターとして事務所に
 所属できたのは3年くらい経って
 からだったなー

言い方を変えると
お師匠さんはそれだけの長い期間
賀島さんをずっと近くに置いて
ご指導されていたわけで
師弟の強い絆を感じさせます。
宛ら親子のようではありませんか。

「まあ確かに
 先輩後輩とか上司と部下みたいな
 関係に比べると絆は強いけどさ。
 親子ってのはちょっと違うかな」
「関数のグラフで
 【漸近線】ってのがあるんだけど
 あれに近いのかもしんない」
「どういうことでしょう?」
「例えば、y=1/xのグラフって
 こんな感じになるんだけどさ」

asymptote1.png

「このグラフの曲線は
 先に行けば行くほどy軸とx軸に
 どんどん近づいていく、
 漸近して行くんだけどさ。
 限りなくy軸とx軸に近づいても
 絶対に交わらないんだよね
 そこには決して超えない一線がある。
 師弟ってそんな関係だと思うんだよ
「ふむふむ」
「単なる仕事上の関係じゃなくて
 限りなく漸近していくんだけどさ、
 決して交わることがない。
 そこには一線の節度があるのよ」
「親子になっちゃうと、
 親はどうしても甘やかすし、子供は
 どうしても甘えちゃうでしょ?
 でも師弟には必ず一線があって
 関係にある種の緊張感があるのよ。
 そこがすごく気に入ってるんだ
「なるほど……面白い観点ですね」

『Gガンダム』の12話は
 そういう師弟の関係を
 すごく上手く描いてると思うんだ」

『機動武闘伝Gガンダム』
サンライズさんの制作で
1994年に放映されたTVアニメです。
第12話のサブタイトルは
『その名は東方不敗!
       マスターアジア見参』
脚本は山口亮太さん
演出は佐藤育郎さんです。

「主人公、ドモン・カッシュ
 師匠のマスター・アジアと再会する
 エピソードなんだけどさ。
 無愛想でぶっきらぼうなドモンが
 師匠と再会した途端、手を取って
 涙をポロポロ流すんだよ。
 幼馴染のヒロインにも見せなかった
 【自分の弱い部分】を
 師匠にだけは見せちゃうんだよね。
 師弟の関係として
 そこがすっごく感情移入できてさ」
「ほうほう」

「この時点でドモンは
 父親が永久凍結刑、母親が死亡、
 兄貴が逃亡犯っていう状況なのよ。
 追い詰められてガンダムで無理やり
 戦わされている環境なのに
 それでも自分から師匠を探したり
 頼ったりはしてなかったんだわ。
 で、師匠に偶然再会すると
 堪えていた思いが溢れ出す……
 っていうのがグッと来たね」
「ではでは、そのシーンを
 動画でご紹介しましょう」

「Gガンダムの12話は
 ドモンとマスター・アジアの
 演舞を思わせる【挨拶】とか
 二人の合体技である
 【超級覇王電影弾】とか
 マスター・アジアの強烈なキャラが
 印象に残るんだけどさ。
 ドラマとしてもすごく秀逸だった
 と思うんだよね」

私は賀島さんのお師匠に
お目にかかったことはありませんが
こうして懐かしそうに愛おしそうに
お師匠との思い出や師弟への想いを
語る賀島さんを見ていると
お師匠が長生きして下さることを
願わずにはいられませんでした。

長々とお聞きいただきまして
どうもありがとうございます。
毎月10日・20日30日に
更新できるよう頑張りますので
よろしければまた
私の話を聞きに来てくださいね。

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佐和山進一郎

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